好きな人がいて

嫌いな人がいて

 

傷つけた人がいて

傷つけられた人がいて

 

迷惑をかけた人がいて

迷惑をかけられた人がいて

 

助けてくれなかった人がいて

助けてあげなかった人がいて

 

ケンカして別れた人がいて

ケンカして仲直りできた人がいて

 

一緒にいたくなかった人がいて

一緒にいたいと思った人がいて

 

二度と会えなかった人がいて

長い時間を共に過ごした人がいて

 

愛してくれた人がいて

愛そうとしても愛せなかった人がいて

 

本当に色々な人と巡り合ってきて

ふと思うのは

 

出会いを通して

自分の色々な側面を

見せてもらえたということ

 

見たい自分よりも

見たくない自分の方が

はるかに多かったけれど

 

自分の姿だとは気づかずに

相手を批判してしまったけれど

 

すべては自分の姿だったのでした(笑)

 

そんな相手に映った自分の姿を

ただ認めるだけでよかったのに

私は欠点だらけの自分を許せませんでした

 

必死で欠点を正して完璧な人間になろうと

はかない努力を続けてきました

 

ネコをかぶってみたり

強がりを言ってみたり

違う自分のフリをしてみたり

 

たくさんの欠点がある自分だけど

それでも誰かに愛してもらいたくて

あの手この手を使いました(笑)

 

愛してくれる人が現れると

今度はいつか愛されなくなるんじゃないかと

不安に怯えるようになっていきました

 

やがてそんなことを繰り返して疲れ果て

もうこれ以上無理って降参して

 

このままの自分を受け入れるしかない

って、思い知りました(苦笑)

 

するとそれまで気づかなかった

ありのままの自分の素敵な部分を

客観的に指摘してくれる人が現れました

 

これまでダメ出しばかりしていた私にも

気づかなかった隠れた魅力があった!

 

欠点だと思っていたことが

ちょっと見方を変えるだけで

魅力にもなるらしい!

 

そのことに気づきはじめたら

自分を丸ごと好きになっていきました

 

そして私は他の誰かに

愛してもらいたかったのではなくて

ほんとうは自分自身に愛されたかったんだ

って、ようやく腑に落ちはじめたのです

 

すると周りの人たちがみんな

愛すべき自分の一部に思えてきました

 

先日、ふと目にとまった記事で

実業家・白洲次郎氏と

随筆家・白洲正子氏の邸宅だった

古民家「武相荘(ぶあいそう)」が町田市にあり

公開されていることを知りました

 

夫妻が暮らした茅葺屋根の家が

そのままミュージアムとして使われ

生前に使われていた調度や食器

着物などが展示されています

 

展示を見て敷地内を散策した後

カフェでランチを取りながら

そこに置いてあった白洲正子さんを特集した

雑誌をめくっていました

 

随筆家であった正子さんは

発言も文体も歯切れがよかったようで

いくつかの名言(?)も掲載されていました

 

なかでも特に私の心に響いた

言葉がありました

 

「一期一会とは、

 私流に解釈すれば、

 結局自分自身と出会うことである」

 

そうだよね!

 

まさにそう実感できるようになった時に

この正子さんの言葉に出会えたことが

偶然とは思えませんでした

 

その時の自分にぴったりの一期一会が

人生で用意されているんだね!

 

一期一会とは

生きて出会う人だけでなく

亡くなられた人であっても

 

そして人だけでなく

言葉や音楽や絵画などであっても

 

時空を超えた巡り合いを

意味するのでしょう

 

人は一期一会を通して

自分自身の姿を知り

自分自身を理解していくのでしょう

 

一期一会とは

自分自身を愛せるようになるために

神さまから内緒で贈られてくる

偶然を装ったプレゼントだと思います