映画館へ行くのは
何年ぶりだろう?
10年以上経つのかも
持病の腰痛がひどくなって
2時間じっと座っていることが
難しくなった
だからもう映画館へ行くことはない
そう思っていた
だけど心がうつ状態のときに
突然YouTubeに上がってきた
「さとう式リンパケア」の動画
自分の身体をひたすら優しく労わり
撫でたり揺らしたり深呼吸をする
そして身体が感じる
心地良さ・軽さ・暖かさに
意識を向けているうちに
心と身体がゆるんでいく
なんだか腰の調子もいいみたい
そう実感していたとき
尊敬する方たちが
映画『Perfect Days』を勧めていた
久しぶりに映画館へ行ってみる?
うん、行ってみよう!
役所広司さん演じる主人公の
日々変わり映えのしない生活
・・・のように見えて
たくさんの人生ドラマが
主人公の世界をかすめていく
色々なドラマを静かな目でみつめながら
けっしてそこに巻き込まれない生き方
それぞれの人の世界に余計な手出しはしない
でも、さりげなく差し出す心の接点が
優しい世界を生み出していく
起こる出来事に無理のない範囲で対応する
無理なときは無理だと言う
応えられないときは黙っている
物語の最後は
末期がんを宣告された人と一緒に
夜の街灯の下で影踏み遊びに興じるひと時
死が差し迫っている人に
私だったらこんなふうに
笑顔の時間をプレゼントできるだろうか?
そんなことを思っていたら
役所広司さんの顔がクローズアップされ
『Feeling Good』の音楽が流れてきた
哀しみや苦しみと向き合ったからこそ
感じとれる心地良さの境地がある
哀しみや苦しみを包み込んでいるからこそ
与えられる心地良さの境地がある
Feeling Good
鳥が空高く飛び
太陽が空に昇り
風が吹き抜けていく
魚は海に泳ぎ
川は滔々と流れ
木には花が咲く
トンボは陽ざしを浴びて
チョウは楽し気に羽ばたき
陽が沈めば安らかに眠りに就く
Feeling Good
新しい夜明け
新しい一日
そして新しい人生がはじまる
当たり前のようにはじまる一日
本当は当たり前ではないことを
心の深いところで知っている
だから一瞬一瞬の出会いを
敏感に感じとることができる
たとえ同じ木であっても
木漏れ日が生み出す葉っぱの影が
その一瞬だけのものであるように
人や物との出会いも
二度と同じではない
そんな人や物との出会いを
感じて愛でて手放していく
何も執着せず
跡形もなく手放していく
過去の記憶に囚われない
まっさらな人生がはじまる
それが自然な生き方
なのかもしれません
本当はそれだけで幸せ
なのかもしれません
Feeling Good
心地良く生きていくことは
そんなに難しいことではない
のかもしれません