60年代後半は世界的に政治運動、学生運動が盛り上がっていました。アメリカにおいてはベトナム戦争があり、徴兵制も行われていたので
死にたくない
という切実な気持ちもあったわけです。韓国などもベトナムには出兵しています。※最終的にはアメリカの51番目の州、日本以外の全ての国はベトナム出兵を非難します。
また、フルシチョフのスターリン批判から15年以上に渡った新左翼ムーブメントもピーク→破綻へと向かいます。パリでは68年に無政府主義者による「5月革命」がいったん成功しています。イタリアの「赤い旅団」などが世界中で暴れまくります。日本でも大学の講義は、ほぼ不可能になりました。
頭脳警察は新左翼運動の崩壊期、あさま山荘やよど号と同時期の72年にデビューしました。ただし
ファーストは発禁処分
です(21世紀になってCD化されるまでは600枚しか発売されてない)まあ、歌詞が過激だったわけです。
「君達にブラックパンサーを殺し
ゲットーを戦車で押しつぶす権利があるなら
我々にも ニクソン・佐藤・キッシンジャー・ドゴールを殺し
ペンタゴン・防衛庁・警視庁・君達の家々を
爆弾で破壊する権利がある」(世界革命戦争宣言)
これが、フォークでなくロックであったのが特異です。本来アチチュードの音楽であるのがパンクなので、頭脳警察が日本最初のパンクバンドと言う事もできます。
ただ、頭脳警察はフランク・ザッパ(!)のブレイン・ポリスを和訳したので、その影響とか、あとキャッチーですね。鬼気迫るプレイやPANTAの説得力あるヴォーカルも魅力でもあります。
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