『ラ・シルフィード』のジェネラル | 大好きな日々の覚え書き

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デンマークの暮らし、教育、天然酵母、麹、発酵の話、旅行の話、子どもたちを通して知ったバレエのことなどなど、ふと頭に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをそのまま綴るブログです。

今シーズンに上演されるデンマーク王立バレエ団の演目の中で、特に注目されている作品に、芸術監督ニコライ・ヒュップの改訂版ブルノンヴィルの『ラ・シルフィード』があります。

引退公演でジェームズを踊ったくらい、この作品への思い入れが強い芸術監督。

これが3度目の改訂版です。

1度目は2003年、まだNYCBで現役のダンサーだった時。2度目は2014年。そして今回です。

2003年版はインストラクターとして作品の改訂に尽くしたと言うことで、伝統的な舞台装飾、衣装に変化はありませんでした。

2014年版は、舞台装飾、衣装が一新され、全てが白、グレー、黒で統一されて、デザインはシンプルでモダン、内容は深刻でブラックでした。

それはそれで良かった、と言う人がいる一方、批判的な意見が大きく、今回、今度は色付きで再改訂版が発表されることになりました。

そして今日、そのジェネラルに行ってきました!

余談ですが、前改訂版の時もリハーサルを一緒に観た、それほどバレエに詳しくない私の友人は、タータンチェックの色がハッキリしていなかったために、この話の舞台がスコットランドだってことも知らなかった、と、今回第一幕を観終わった後で言っていました。

前回の改訂版は、内容も少々芸術監督の個人的嗜好にこだわり過ぎた感じがしましたし、そんな基本的な部分さえ伝えられていなかったなら問題があったのは確かなのかなぁ〜と思いました。

しかし、おめでとうございます。

3度目の正直とは、この改訂版プロジェクトのためにある言葉でしたね〜!って言いたいです。

再び一新された衣装、舞台装飾が、今度はロマンチックな音楽にマッチしていて、本当に素晴らしかったです。

主要登場人物に、バレエ技術もそうですが、それ以上に演技力を要求するこの作品。主役たちが役をどう演じるか?誰と誰が組むのか?で全く違う作品になりえます。

私がみたのは、とても古典的に詩的情緒あふれる超魅力的なシルフィードと完璧な悩めるジェームズ。気が強そうな許婚のエフィーと楽天的で結構カッコいいゴーン。そして今日一番注目した、斬新で魅惑的、お色気さえあるマッジでした。

主役たちの駆け引きを楽しませてもらいました。

そして、他のグループだと、どんな作品になるのかなぁ〜?観てみたい気持ちにさせられました。

でもチケットは残念ながら既に売り切れです。

Covid 19の感染者が再びガンガン増え始めたデンマーク。

今日の夕方、首相による記者会見が行われ、新しい制限が発表されました。

学校、フリータイムの活動、仕事、文化面を開いたまま、出来るだけ正常な生活を続けていくために、個人的な社交は控えましょう、と言うメッセージでした。

「一人一人が、交流する最高数を10人までに抑えましょう」と言うもの。ただし、その10人に、同居する家族、仕事、学校、フリータイムの活動で会う人は含まれません。

既にマスクの着用が義務付けられている公共交通機関でだけではなく、さらに屋内の公共の場でも着用が義務付けられます。

特に若者にターゲットを当てた、22時以降のアルコール類の販売禁止、と言うのもありました。

まあ、大したことではないです。

上の条件以外の人で日々交流する人なんて、私、元々10人以上いませんし……。

なにより、観客は500人までと制限されたままとは言え、スポーツ、劇場等の文化活動を閉めない!と言う強い意向が示されたことにとても安心しました。

今日のような体験のためなら、マスクなんて苦でもなんでもありません。

それに、そんな制限が出るのも時間の問題だってわかっていたから、今日から既に劇場内でずーっとマスクをしていましたよ〜!

準備OKです。

最後に公式サイトのリンクを貼り付けます。トレーラーが載っているのでどうぞ!
https://kglteater.dk/det-sker/sason-20202021/ballet/sylfiden/