エヴェレスト山頂付近の行列の写真と、写真が意味する実際に起きている恐ろしいこと、つまり、あまりにも多くの人が山頂に向かい、長い行列が出来ているため、標高8000メートル以上の「死のゾーン」と呼ばれる場所で2時間も3時間も待たされて、酸素不足等で死亡者が続出すると言う事件、について書かれた新聞の記事(Berlingske)を読みました。
その記事には、下のリンクの日本語の記事と同じ写真が載っていました。この記事も事情がわかるので是非どうぞ!
登山の状況が一刻も早く改善されますように!
さて、デンマークの記事のポイントは、「目標達成のために、人は何でもやってしまいかねない」と言うことで、とても興味深いものでした。
記事には、酸欠で死にかけている人、死んでいる人を、文字通り踏み越えて進み、エヴェレスト登山に成功した人たちの実話がいくつか書かれていて、それを可能にする人間の心理を「ダークトライアド」と言う心理学の表現を使って説明していました。
ダークトライアドとは、人間の奥に潜む悪の3つの特性、1.サイコパシー、2. ナルシシズム、3.マキャベリズムのことだそうです。
そしてその3つを簡単に説明すると下の通りです。
1. 目的の為なら他人の感情を無視できる
2. 自己に陶酔する
3. 目的の為なら手段を選ばない
「エヴェレスト山頂の行列の写真には、この暗い人間の心理が隠されているので、せつなくて象徴的だ」そうです。
さらに
「トップアスリートが、ダークトライアドの特性をいつも持っているとは言えないが、最終的にその特徴を持ちかねないことを、最新の調査が示している。
彼らは目標を達成するための揺るぎない意志によって動かされている。
研究者によると、その強い意志はマキャベリズムに繋がる。
他の人が死んでいようが生きていようが彼らには意味がない、存在するのは目標だけなのだ」
とも書かれてありました。
トップアスリート→バレエダンサー、と連想して、確かに一理あるかもな〜!と思いました。
1人がプリンシパルと言う頂点に登るまでには、その周りに倒れた人が何人もいただろうなぁ〜と容易に想像できます。
バレエ学校の進学試験の結果が出た直後に読んだ記事だったので、トップアスリートとバレエ学校の生徒たちの姿が重なりました。
毎年クラスメートの誰かが不合格でいなくなるけれど、どうしようもないことなので、自分は先に進むしかありません。
他にも色々と……バレエ学校は、ダークトライアドの特徴を育む土壌かもなぁ〜〜と思うところがあり、暫く内省しました。
これは恐ろしいことです。
バレエダンサーになる目標を持つのはいいけれど、それは人生の目的ではありません。
人間としての品格を失わないで、これからも息子が望む限りダンサーとしてのキャリアも積んで行くことが出来るように、ただ見守るだけでなく、より気をつけて手助けして行かなければ!と改めて思わさる記事でした。