Dans2Goのプレミア | 大好きな日々の覚え書き

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デンマークの暮らし、教育、天然酵母、麹、発酵の話、旅行の話、子どもたちを通して知ったバレエのことなどなど、ふと頭に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをそのまま綴るブログです。

TakeAway感覚で、安く気軽にバレエを観よう!と言うコンセプトで人気のプログラム『Dans2Go』。

5000円以下(25歳未満は3000円くらい)で、違う振付家の作品を3つ観る事ができるトリプルビルなので、お得感の強いプログラムだと思います。

日本伝統芸能では、観客の間で「初日は外せ」と言う、って本当ですか?

上手くいかない時が多いから「初日に観に行くのは避けた方がいい」と言う意味だそうです。

日本の伝統芸能はぶっつけ本番で、明治時代までゲネプロ、ジェネラルと言う概念がなかったから、それに相当する日本語がない、とは以前どこかで読みました。

ぶっつけ本番で初日がジェネラルみたいなものだとしたら、2日目くらいからの方がいいかもしれませんね。

バレエでは、批評家や有名人が観に来るので、初日にはその演目を最高度で踊ることができるダンサー達(第一キャスト)が踊ります。「誰が初日を踊るのか」はダンサー達が神経質になる所。観客も、初日は良いもの、と言う印象を持っています。

そして『Dans2Go』、今日はその初日、プレミアでした。

私は今回の3作品のうち2つを前シーズンに見たばかりです。だから行く予定ではありませんでした。

でも今日の午前中サイトを覗いたら、いい席(前から3列目のど真ん中)がポツリと1つ売れ残っていました(おそらく招待客が、ドタキャンしたのでしょう)。それで急遽行く決心をした、と言う次第です。

それにしても、こうして私が予告なしに夕食後に出かけても、「お母さん、本当にバレエ好きだね〜」、「楽しんで来るんだよ!」と文句ひとつ言わずに送り出してくれる私の子供達と主人、寛大な人達だと感謝しています。

演目の内容は下の通り。
1.『Weimar』芸術監督ニコライ・ヒュップがこの演目のために振り付けた作品。
これは芸術監督が1920、30年代(2つの世界大戦、戦間期)のヨーロッパへの敬意を表すバレエだそうです。音楽はシャンソンだったり、ジャズだったりしました。振付はマクミランにインスピレーションを受けたのかな?と私には思われました。衣装の一部も芸術監督が手掛けられたそうです。この作品中々良かったですよ〜〜!
2.『Tjajkovskij pas de deux 』(バランシン)
3.『Vertical Road』(アクラム・カーン)

バランシンの『チィコフスキーPas de deux』と、アクラム・カーンの『Vertical Road』、また観ることが出来て本当に良かったです。

『Vertical Road』大好きなカナダ人のリーアム君が主役のトラベラーを踊ってましたが、適役でした。ダンサー達全員が全身全霊をかけて踊っていて、全員で凄いエネルギーを発信していました。ラストシーンでは浄化されるような感覚を覚えました。本当に凄い作品です。

一つ一つ、踊られる前に、作品を紹介する動画がスクリーンに流れるのですが、芸術監督やダンサーの話への観客の反応で、デンマークでは、バレエが、いろんな年代の、違った環境で暮らしているらしい人達に親しまれているんだ!と感じられて、嬉しかったです。

蝶ネクタイで正装の人、ジーンズで普段着の人、子供、若者、中年、ご高齢の方、色んな人が来ていましたが、誰でも気軽に入って観る事ができる『Dans2Go』、素晴らしいプログラムだな〜と改めて思いました。