彼は5人の子どもの中で、盲点になりがちな子です。まあもう年齢的には大人なのですが、、、。
母親が言うのも何ですが、とても優しい、いい子で、私が何もしなくても、何でも自分で出来る子だったからかなぁ〜?と思います。
その次男がくじ引きをしました。
くじ引きと言っても、福引きとかではありません。
それでは、なんのくじ引きか?と言いますと、医学生のくじ引きです。
私の長男は医者、次男は医学部の学生です。
医学部だバレエだ、と書くと、我が家は大金持ちだ、と勘違いされる人があるかもしれませんが、そうではありません。
デンマーク王立(劇場)バレエ学校の学費は、私立に委託している普通学校部門の学費は親も負担しますが、国立バレエ学校部門の学費は無料です。
デンマークで医学部に通うのは、他の学部の学生と同じく、学費が無料であるばかりでなく、学生は学生手当(学生寮に住んでいる子は毎月約5000クローネ((約9万円))を国から受け取って通います。
だから、家庭の経済力は、学業の選択には関係ありません。
長男は中学生の頃から医者になりたいと思っていました。
次男は、高校生の時は物理を勉強したいと思っていたようです。でも、同級生に物理の道を志す超優秀な子(その同級生は今、プリンストン大学物理学科の博士号学生)がいて、(あんな奴ばかりの世界で、僕がものになるのは難しい)と思ったらしく、断念して、兄と同じ道に進むことにしました。
その次男が、来年の1月医学部を卒業します。それでくじ引きがありました。
医学部を卒業すると、Den kliniske basisuddannelse (KBU) 直訳すると「臨床基礎教育(KBU)」つまり、日本で言うインターンがあります。日本との違いは、デンマークでは大学を卒業した時点で、医師の国家資格が与えられるため、インターン生は医者として給料を受け取り働くと言うところです。
そのインターンのくじ引きがありました。
なぜインターンにくじ引きがあるか?と言うと、どの病院でインターンをするかを決めるためです。
毎年、国内でインターンを希望する、卒業予定の医学生が、コンピューターによるくじ引きに参加して、1つの番号を受け取ります。
そして、受け取った番号の若い順から、デンマーク全国にある約60の公立病院から、希望の病院を選ぶ事が出来ます。
もちろんその学生が、どこの地方の出身かによって希望の場所が違いますが、人気なのは、やはり首都圏にある病院です。
今年くじ引きに参加した学生は全部で634人。そして、次男が引いたのは228番でした。
出来ればコペンの周辺に留まりたいと希望する次男ですが、どうなる事でしょう?
何人がどの地域の病院に振り分けられるかは、その地域の人口で決まります。
コペンハーゲンがあるシェラン地方に振り分けられるインターン生は、今年は285人と決まっています。
つまり、息子より若い番号を持っている学生が、全員シェラン地方を希望しても、まだシェランの何処かに席が残っている、と言う事です。
そんなこんなで、どうやら次男はシェラン地方の病院を選べそうだ、とわかりホッと安心したくじ引きの結果でした。
これで、インターンのくじ引きに関するデンマークのシステムが私に説明できたでしょうか?
デンマークは全てが透明で分かりやすい国だなぁ〜と、私は常々思っています。
日本のシステムは、医学にしても、バレエにしても、公立とプライベートの力学の狭間で、本当に複雑だなぁと思います。