世界的に報道されたようなので、ご存知の方もいらっしゃるのではないか?と思います。
これに関するデンマークメディアの反応は、「ヘンリック殿下は、自分で自分の評判に(益々)傷を付けている」「デンマークのイメージに悪い影響を与えた」「女王さまを裏切っている」「Bjørn Nørgaard(有名な彫刻家)が2人の為にデザインした石棺(2千9百万クローナ以上/日本円で軽く5億円以上費用がかかった)、あれはどうするんだ!」などなど。
つまり「今更(また)何をゴタゴタ言ってんだ〜〜」とヘンリック殿下を非難するものばかりです。
噂の高価な石棺(グラスですが)はこんなデザインです。
以前から、時々プーッと「女王と対等の扱いを受けていない」と不満を吹き出し続けてきた殿下。「プリンス」「殿下」の称号に不満で「キング」「陛下」と呼ばれたい、と言う発言をし、「一体何さまだと思っているんだ〜」「キングでありえないのは当然だろ〜」と、「偉そうにする」「お高くとまった」人が、特に大嫌いなデンマーク国民から、全く相手にされなかった事もあります。
それでも、彼がそんなに称号にこだわるのなら、と2005年にはイギリスのフィリップ王配殿下の例に習って、ただの「殿下」から「王配殿下」に称号が変わりました。これで気持ちが収まったのかなぁ〜〜と世間では思われていました。が、「不当に扱われている」と言う苦い思いは消えてなかったようです。
元々デンマーク人は、上にも書いたように、「自尊する人」「アロガンスのある人」が大大だ〜〜い嫌いな国民です。
残念な事に、フランス人は、そう言う種類の人、とレッテルを貼られている為、デンマークでは一般的にあまり好かれていません。
ヘンリック殿下はフランス人です。
1967年にマルグレーテ王妃(当時)と結婚した直後から、デンマーク語の発音が悪い、いつまでも覚えない、なんだかんだ、とやることなす事非難されて、メディアに「イジメ」られ続けてきました。
私は同情していました。それは私だけではありません。去年までは「女王さまを助けて長い間よくやってきたよね」「初めての女王即位で、殿下の立場をどうするか深く考えていなかったのかもね〜」「男性として難しい立場だったんだね〜」と、ヘンリック殿下に同情する人が年々増えていました。
でも去年、引退した後、女王さまを愛するデンマーク国民は「女王さまは、いつもお一人で公務に立たれて寂しそうだ」「可愛そうだ」「ヘンリック殿下は何してる?フランスか?!」と再び彼への不満が出始めました。そして今回のこの騒ぎです。
全メディアから非難される事は、分かりきっていた、と思います。
それでも彼は、ただの女王の夫として、伝統通り、ロスキレ大聖堂で、女王の横に埋葬され(そのまま忘れ去られ)る事を拒否しました。
国民は皆んな(フランスで埋葬されたいのか?)と直ぐ疑ったと思います。でも、ヘンリック殿下は「デンマークが好きなのでデンマークで埋葬されたい」と希望しているそうです。
つまり彼は、未来永劫「デンマークから不当に扱われたと主張した殿下」と言う立場をデンマークで貫く事を決心した、のです。
確かに、彼のデンマークの人生は、そうだったのかもしれません。
女王さまも埋葬の件は了解しておられる、そうです。
そう思ったら、私はなんだか納得してしまいました。
そして今は、(ヘンリック殿下の自己顕示欲にはあっぱれだな〜〜!)(それは王様と呼べるくらい大きいかも、、、)と、ただただ彼の勇気?に感心しています。