バレエ学校クリスマス舞踏会 | 大好きな日々の覚え書き

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デンマークの暮らし、教育、天然酵母、麹、発酵の話、旅行の話、子どもたちを通して知ったバレエのことなどなど、ふと頭に浮かんだこと、思ったこと、感じたことをそのまま綴るブログです。

バレエ学校の子どもたちがクリスマス休暇に入る前に1番楽しみにしている伝統的行事、それは毎年12月23日に行われるバレエ学校とバレエ団合同「クリスマス舞踏会」です。

 
裕福でない家庭出身の子どもたちもクリスマスパーティーを体験できる様に、とその昔始まったのがこの行事だそうです。
 
19世紀、一時中断はあったものの、47年間デンマーク王立バレエ団芸術監督を務めたブルノンヴィルは、当時芸術全盛期で活躍した文化人の討論に積極的に参加したりして、ダンサーの社会的地位向上にも尽くしました。
 
きっとこのクリスマス舞踏会も親方ブルノンヴィルの精神の表れでしょう。
 
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昨日購読しているBERLINGSKEという新聞に、昔懐かしいコペンハーゲンのクリスマスの写真の一つとして、1958年のバレエ学校のクリスマスパーティーの写真が載っていたので、ここにお借りしました。
 
とてもフォーマルなパーティーです。服装は一応自由ですが、多くの男の子がタキシード、女の子はドレスを着て参加します。
 
パーティーは16時に始まり21時に終わります。珍しくこれは毎年同じです。
 
何をするかと言うと、王立劇場の旧舞台に巨大なクリスマスツリーを持ち込んで、それを囲んでひたすら踊ります。途中、子どもたちの為にお楽しみが用意されています。それは手品だったり、アクロバットやヒップホップのショーだったり、毎年違うサプライズです。
 
バレエ団幹部から子どもたちにプレゼントもあります。その一つが、以前ブログにも書いた夏休み前の遠足です。
 
夕食を食べてまた踊ります。伝統的なデンマークのクリスマスディナーです。
 
普通のフォークダンスも踊りますが、メインに踊るのは「Les Lanciers」(ランシェ)と言うカドリーユ社交ダンスです。
 
ランシエは1820年代にイギリスで始まりました。その後ヨーロッパ各地に広まりましたが、1850年代フランスで人気になり、1860年代にフランスからデンマークにやって来ました。
 
ブルノンヴィルの指導でバレエ学校やハイソサエティーの間でよく踊られました。ヨーロッパの他の国ではその後踊らなり忘れ去られてしまったのですが、デンマークでは踊り続けられて、今でも主に高校(ギムナシウム)のガラ・パーティーで踊られています。もちろん王室のガラでも踊られ続けています。
 
うちのお兄ちゃんお姉ちゃん達も普通の公立高校でしたが、毎年踊りました。
 
バレエ学校では低学年の生徒は秋休みが終わった頃(10月中旬)から、クリスマス舞踏会の準備でランシェの練習をします。1番から5番まであって、0年生がこれを覚えるのは至難の技です。でも実はこれがフォークロアダンスの練習にもなっている様です。
 
流石にバレエ学校のランシェは、プレパレーションが5番ポジションの足になっていたり、つま先や足の伸ばし方とかが、高校で踊るものとは違います。
 
小さな子たちも12月23日には立派に踊れるようになっていて、ピカピカに着飾って参加します。膝をピンと伸ばしたバレエ流入場行進をして、大人のダンサーに見守られながら子どもたちは会場(旧舞台のステージ)に入ります。
 
ランシェは決まったパートナーと踊りますが、普通のフォークダンスを踊る時はパートナーが変わるので、憧れのダンサーや芸術監督と踊ったりするチャンスもあるそうで、今年は誰に当たるかな?と皆んなちょっとドキドキみたいです。
 
踊りまくるバレエダンサー達も相当のダンス オタクですが、付き合って演奏しまくるオーケストラ団員達も半端でない演奏オタクです。
 
デンマークでは、イヴの24日にクリスマスディナーを頂き祝う伝統があります。そしてそれは家族、親族だけで集まって祝うのが普通で、家族以外の人を招待する事は稀です。だから23日のこのパーティーはバレエ学校とバレエ団のバレエ家族としての絆を深める役目も果たしています。
 
親はバレエ家族の一員ではないので参加できません。だから私はFaceBookとかでしかその様子を見た事がありません。でも毎年子どもたちから色々聞いているので、私も行った事がある様な気がします。
 
下にランシエの音楽を貼り付けますね!19世紀の雰囲気タップリですよー!
 
実はですねー、子どもたちに教わりながら、この時期、私も家で踊りまくってます。
 
楽しいクリスマスを!