6月20日に告示されいよいよスタートした東京都知事選は、本来予想もしていない56候補者が林立したが、まともな候補はせいぜい4~5人で、実質二人の争いである。つまり大方の予想では小池・蓮舫の両氏のいずれかが次期都知事になると言われており、それ自体「最悪を避ける選択」と言ったが、更に大きな問題を含んでいる。

 

小池氏は立候補するとかねての予想通り、もと「都民ファースト」の重鎮であった小島敏郎氏が、小池氏の学歴詐称は公職選挙法違反と告訴した。小池氏は数日前昔のキャスター時代のアラブ人へのインタビュー場面をXで投稿し、自分で「こんなに流暢に喋れたんだ」といい、50年も前だから今は忘れたけどと予防線を張った。

 

しかしその流暢なアラビア語は、現役の通訳でもある飯山陽さんに、単語がわかっておらず、発音も満足にできなくて聞いていて意味がわからないと言ったものだった。自分が一番輝いていた次期の、しかもそのよりすぐりを切り取ったものですらそのアラビア語が怪しいことを言われてしまって、Xは削除されている。

 

つまり小池氏は自らのキャリアで、めったにいない「カイロ大」卒と言った経歴を引っ提げてキャスターになり、やがて政治家として名を成したが、それに疑義が出た。今は少なくともまともな学業を修めて取得した学位ではなく、日本の金満自治体の首長を卒業者としたほうが得と判断した政治的な卒業であろうというのが定説である。

 

一方の蓮舫氏もこの学歴詐称を攻めるかと思いきや、自らも「北京大学」留学と言っているのが怪しく、積極的に言い立てはせず、自らの二重国籍問題も抱えている。しかも選挙告示前に、支援者である枝野氏と自らの当選を聴衆に頼むと言った明確な公職選挙法に違反する「事前運動」を北村弁護士に指摘されている。

 

つまりこれらのことは、一般人が見栄を張って自分を虚飾の経歴で飾ると言ったものではなく、有権者を欺き当選してしまえば言いくるめてしまうと言ったものである。これは結果次第では違法行為も、まして公表時期がいい加減と言った国籍問題の道義的責任も一切無視するもので、我が国のまともな国柄を汚すことである。

 

マスコミは普段「権力に刃向かう」と言った正義面するくせに、こういう問題にはほっかぶりして知らんふりをする。日本としてまともな国民性が世界的にも評価されているときに、こういういい加減さを許していては、いつかその国民性も疑われることになりかねないと強く懸念している。