タロットリーディングにおける過去生(過去世)情報 | タロットの煌めき マルセイユタロット活用術

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伝統的なマルセイユタロットを使っての、自分と人のために活かせる知識と方法をお伝えしています。

人間は情報で生きていて、もっと言いますと、人間自体、情報でできている体(情報体)とも言えそうです。

 

私たちが生きている間は、外も内も情報を処理しているのでしょうし、コンピュータ的なたとえで言いますと、記憶(自分が覚えていない潜在的なものも含めて)もデータと表現できるかもしれません。

 

言わば、生きている証のような、これまでの記憶データは、普通自分が生まれてからのもので考えられます。

 

通常の心理学的な範囲でも、実際の自分の生育史においてですし、せいぜい遡っても、両親や祖父母くらいの影響まででしょう。

 

しかし、トランスバーソナルな心理学になってきますと、言わばサイキックや霊的な範疇まで扱うことがあるようですから、そうなりますと、よくスピリチュアルな分野で言われる「過去生(世)」「前世」というデータまで、一個人に関わるものとして見る向きもあるかもしれません。

 

とはいえ、前世のようなものは確かめようがなく、言ってみればオカルト(本来のオカルトの意味ではなく、ここでは一般的な意味で使っています)みたいなものですから、話のネタとしてはあっても、普通はまともに扱わないでしょう。

 

さてでは、タロットリーディングにおいては、どのデータ範囲まで扱うのかという問題(テーマ)があります。

 

端的に言えば、上記の「前世」まで扱うのかどうかの点も入ります。

 

過去生を読むチャネリング的なスピリチュアルタロットリーディング(このような言い方があるのかはわかりませんが)というものなら、アリなのかもしれません。

 

そもそも、タロットリーディングもカードという象徴ツール・システムを使いながら、一種のチャネリング作業を行うようなところもありますから、前世データがダウンロードされてくる場合もありそうです。

 

ただ、あくまで基本は、今の自分個人(現世)としての人生を範疇とすると、前世情報・データは、サブ扱いするのが妥当のように思います。

 

私はどうしているのかと言えば、上述の基本姿勢(今の自分としての人生で考えること)を採用しつつも、時折、前世的なデータをタロットから読むことがあります。

 

これには大きく分けてふたつのものがあり、ひとつはタロットカード(使用しているマルセイユタロット)そのものに描かれるもの(象徴されているもの)に、世代を遡るような意味合い(日本人的にあえて言えば先祖因縁のようなもの)が認められるのと、もうひとつは、タロットカードからインスピレーションを受けて、タロットリーダー個人に入って来る前世ストーリー・ビジョンのようなものがあります。

 

また、両方(カードの意味とインスピレーションやビジョン)が重なって来ることもあります。

 

最初は私も後者のような読みはあまりなかったのですが、マルセイユタロットを長く扱っていますと、ある種のゲートやアクセスポイントとつながるのか、現実情報を超えたものが入って来ることが度々起こるようになりました。しかし、毎回ではなく、そのクライアントに必要性がある場合に限りです。

 

そして、ここが重要で、今日言いたいことにもなるのですが、そうした前世データとか、現実を超越したような情報が本当かどうか(例えば過去生で、その人が実際にそういう人でそのような過去であったかどうか)は問題ではなく、相談する人(クライアント)自身の今生の人生をより良くしたり、生きやすくなったりするために、よい情報材料となればいいということなのです。

 

そもそも前世があるのかないのか、またたとえあったとしても、一個人の魂が別の人間として生まれ変わるようなことなのか、はたまた、いろいろな個人のデータが混在して、ひとつの新たな魂としての情報が固まるのか、様々に過去生とか輪廻転生については考えられるわけで、その証明は難しく、当面はそれを解決する(はっきりさせる)手段を人類は持たないでしょう。

 

であるならば、何か眉唾的なものだとしても、ひとつの物語、ストーリーとして過去生などを設定することにより、実際の今の人生に好影響が出るのなら、それを採用するのもありという考え方が出て来ます。

 

私はそうした考えを入れて、過去生データというものを扱っています。事実かどうか、過去生そのものを認めるかどうかとはまた違うわけです。

 

さらに、たとえ自分の過去のデータではなかったとしても、そうした情報の物語が何らかの形で、その人に影響を及ぼしていることは確かで、それは今生(のどこか)で、何かの話を聞いたり、経験したりするなどして、無意識の領域で自分が気づかない間に入れてしまっている(あるいは創造している)情報ということが結構あるように思います。

 

言わば、過去生の情報というカタチを取りながら、何かその人の改変とか浄化のトリガーになっているものとも考えられるわけです。

 

過去生情報のカタチの中に現れる物語の骨格(構造)とか、登場人物、特に自分がその人であったと想定している人物像は、夢で見ている別の自分のようなもので、その過去生が事実かというよりも、自分自身で作り上げている情報の一種で、それが潜在的に影響を及ぼしている可能性があるという印象です。

 

マルセイユタロットリーディングでは、過去生というカタチを持ちつつ、その人が潜在的に創り上げ、知らず知らず自分に影響を与えてしまっている物語を読み解き、自身で気づくことを促します。

 

物語に気づくことは、大きな解除になり、物語の中に閉じ込められていた、あるいはなり切って演技していた自分から解放され、その演技(物語)を見ている側の自分に戻り、我に返ることができます。

 

そうすると現実にあった問題が問題でなくなったり、より生きやすくなったりするのです。

 

こういうことも起こり得るのが、マルセイユロットのリーディングなので、とても興味深いところがあります。