以前も書いたことがありますが、タロットを展開して、その出たカードを入れ替えて読むという方法があります。
あまりたくさんのカードを出すと、そもそも入れ替え自体大変になり、その組み合わせも多量になってしまうので、やはりこの技法でほど良い展開の数となると、三枚くらいかなと思います。
三枚と言えばスリーカードと呼ばれる展開があるので、それを使うわけですね。
スリーカードの展開法は、一般的には、カードそれそれが、過去・現在・未来とか、原因・対策・結果、自分・相手・対応策みたいなことを表すとされています。
この中で一番有名なのは、時系列解釈で「過去・現在・未来」を読むというやり方でしょうか。私が採用しているマルセイユタロットの展開法で、カモワン流を基礎とするものも、結局、この三枚のカードの時系列的解釈から始まります。
しかしここでは、あえてその時系列もはずし、その他のスリーカードの一般的な意味合いからも離れます。
要は、自分(あるいはクライアント)にとって、重要な三枚が出たと考えるのです。
重要な三枚なので、そこに順序はなく、どれも大事なものと想定します。
しかし、カードにはネガティブな意味もポジティブな意味も、両方解釈可能です。これが例えば、正逆を取る展開法ならば、正立と逆向きで、それぞれ意味を変えて解釈することがやりやすくなります。
ただ、今から言う、スリーカードの入れ替え方法の場合は、正逆を取ると、カードごとに良し悪しとか、問題ありなしかがわかり過ぎてしまうので、あえて正立のみにカードを出します。
では、今から実際にやってみます。
このブログをたまたま読んだ人もいれば、前から継続して読まれている方もいらっしゃるでしょうが、どちらにしても、今日の記事を目にした方のためにと、マルセイユタロットの大アルカナ三枚をまず引かせてもらいます。
すると、以下のようにカードが出ました。
(カード画像:CBD Tarot de Marseille by Dr. Yoav Ben-Dov, www.cbdtarot.com)
左から「愚者」「世界」「審判」です。思ったより、すごいカードと並びで、私も驚いていますが...(笑)
次に、この三枚の並びの順列を変えていきます。都合6パターン出ます。
●「愚者」を規準(左)にした場合
●世界を規準にした場合
●審判を規準にした場合
以上のようなパターンがこの三枚では考えられるわけです。
この6パータンを見て、自分としてはどういうパターンがよいのか、あるいは悪いのか、さらには、こういうパターンもあったのか、こんなパターンでやってみたい、過ごしてみたいというような、自分を変えたり、落ち着かせたりするアイデアとしても、三枚の並びから示唆を得ることが可能です。
自分にとって重要な三枚なのですから、別に並びが最初から決まってるものではないと考え、あえてその三枚をいろいろに組み合わせることで、自分の囚われや固定概念を脱したり、逆に、決めていた目標に向けて意思をはっきり固めたりすることに活用できるでしょう。
ちなみに、最初に引いた展開の並びは、自分の理想、あるいは自分が陥っているパターンなどを表すことが多く、その最初の並びを崩してみることで、新たな世界(観)を創造しやすくなります。
結局、他のパターンを見ても、最初のものに戻ることもあります。それでも、他のパターンを見ていくことで、これしかない、これが今は最上なんだと、納得することができる良さがあります。
今回のケースでは、旅や動きを象徴する「愚者」のカードが出ていますので、「愚者」を自分とか主人公に置いて、この6パターンの配置を見てみると、なかなか面白いことがわかるかもしれません。
大きく分けると、あなたは何かに向かっていくのか、それもと何かから離れていくのかの、ふたつのパターンが見えて来るかと思います。
もちろん、その何かは、「世界」とか「審判」というカードに象徴されるものですし、「世界」と「審判」も二枚が組み合わさると、数の上でも続き番号ですし、非常に大きなものとか長く関わってきたこと、高い目標のようなものとも想像できます。
タロットカードは、占い的に、引いて出たカードのようになる、そのようなことが起こると、受け身にただ運命を受け入れていく姿勢になるものではなく、出したカードでさえも自分が組み替えて、自らの手で、タロット的に言えば「運命の輪」を回すようにすることも可能なのです。
たった三枚でも、ゲーム・アニメ的な用語を使えば、6つもの“世界線”があるのです。あなたはどの世界線を選ぶか、なのです。
とはいえ、マルセイユタロットならではの人物の描き方とか、視線の鋭さなどがあるので、カードを組み替えて見る醍醐味も、マルセイユタロットでないと味わいにくいかもしれませんが。
ともあれ、こういう方法もあるので、楽しみながら、タロットを使ってみてください。