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Muuseo Vox

"コレクションでミュージアムを" のミューゼオ編集部より、物たちが大好きな人に向けて。

冬は引きこもりたいshikibuです。

 

今回は小さな私設博物館の対極に位置する国立科学博物館へ行ってきました!

東京周辺にお住まいの方なら1度は行ったことがあるのではないでしょうか?

なんといっても国立ですよ、親方日の丸じゃないですか。

流石、規模が大きく東京に2ヶ所、筑波に1ヶ所の拠点を構えています。

 

その中でも国立科学博物館といえばココ!という上野本館が今回の目的地です。

  

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上野公園内にあるこの建物、

日本館(旧東京科学博物館本館)は重要文化財に指定されています。

関東大震災で失われた建物の代わりに1930年に竣工しました。

同クラスの地震に耐えられるようにかなり堅牢にできていて、

現在の耐震基準もクリアするんだとか。

 

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ボランティアのガイドさんに聞いた話では、

建材も今では手に入らないようないいものを使っているらしいですよ。

大きな柱も石を表面にだけ貼るではなく、全体を石で作ったりしてるのだとか。

国による復興事業は違いますね!

 

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 官公庁建築というと質実剛健といった風情のところが多いのですが、

こちらは元々来館者のいる博物館を想定して作られたためか、

なかなか華やかな部分も多いです。

ドーム天井やアーチ、ステンドグラスに凝った照明なんかが見られます。

 

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国立科学博物館には400万点以上の所蔵資料があり、

常設展示されているのはわずか1万5千点ほどです。

 

その中でも私が好きな展示はこちらです!

地球館3階「大地を駆ける生命」

 

 

By Momotarou2012(Own work) [CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

 

剥製!元モフモフだらけ!

こちらの展示、日系2世のハワイの実業家の方のコレクションで

「ヨシモトコレクション」と呼ばれています。

公式HPによると400点もあるのだとか。

1998年、アメリカ合衆国ハワイ在住のWatson T. Yoshimoto氏より、世界的規模の大型哺乳類剥製標本が寄贈され、研究教育に利用されることとなりました。コレクションはヨシモト氏が長期にわたって収集してきた400点もの剥製標本からなり、現在では調査が困難な地域の標本を多数含んでおり、西欧の博物館コレクションに十分匹敵しうる学術的価値の高いものです。

元々はハワイで私設博物館に展示されていたそうですが、

今後の保存を考慮して国立科学博物館に寄贈されたそうです。

 

この展示場は結構暗いので映り込みが…

 

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これだけの数が近くにまとめられていて、

一気に見られると違いもわかりやすくて勉強になります。

肉食動物と草食動物で体の形が違ったり、

同じような姿形の動物でも大きさが違ったりするのがよくわかりますね。

 

こちらは午年企画で別の場所に展示されていたのですが、

シマウマだけでもこんなに違うんです!
う~ん、左からヤマシマウマ、サバンナシマウマ、グレビーシマウマ??

 

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ウシ科のエランドやヒトコブラクダなど

肩高2mにもなる動物は他の動物と一緒になると本当に大きい!

 

動物園とは違って外見しかわかりませんが、

動物園よりもずーっと近くで見られます。

 

そして、なんと!

世界に4体しか現存しないニホンオオカミの剥製が公開されているんです!

そのご尊顔がこちらです!

 

 

 By Momotarou2012 (Own work) [CC-BY-SA-3.0], via Wikimedia Commons

 

思ったより丸顔ちゃんです。

東京大学の所蔵している剥製はもうちょっと精悍な顔つきだったような…

ネット情報によると、この剥製は1870年頃に福井で作成されたものだとか。

剥製の作り手による違いなんでしょうね。

 

このヨシモトコレクション以外にも、

国立科学博物館には面白いものがいっぱい!

続きは次回へ!

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国立科学博物館

〒110-8718 東京都台東区上野公園 7-20

03-5777-8600

【入館料】   常設展 大人620円 高校生以下 無料

【開館時間】9:00 ~17:00

【休館日】 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)

https://www.kahaku.go.jp

 

 

女子力ってなんでしょうね、shikibuです。

自分の女子っぽさがちょっと足りなくて、おっさん化しているような気がするので、
女子力の高まりそうな伊勢半本店 紅ミュージアムへ行ってきました!

 
名前の通り、伊勢半本店の企業博物館です。
その伊勢半本店、なんの会社かというと「紅」の会社なんです。
口に点せば口紅、頬にのせれば頬紅の「紅」です。
伝統コスメ!女子っぽいですね!

伊勢半本店は元々は1825年、日本橋に創業した紅の製造問屋だったそうです。

現在でもその製法を受け継いで、

本業であった紅の製造・販売を続けているというのが素晴らしいですね。

こちらの伊勢半本店 紅ミュージアムは、

そんな紅についての歴史や文化を展示している企業博物館です。


表参道駅から歩くこと15分弱…到着です!

 

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失礼ながら、伊勢半本店さんの現在のことはよく知らず…

公式HPを見ると伊勢半グループとしては

ドラッグストアなどでよく目にする化粧品などを扱っていることが判明!

こんな商品や…

キスミー薬用ハンドクリーム 65g チューブ

 

これ!見たことありますね~!

ヒロインメイク ロング&カールマスカラS 01 漆黒ブラック

 

 

展示室は撮影不可なんですが、販売スペースは撮影可能!

 

見た目にも可愛らしい紅猪口や…

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携帯用の紅、板紅!

紅板とも言うみたいですね。

 

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パカッ!

 

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メタリックな玉虫色~♪

実は紅の実物を見るのは初めて。

浮世絵なんかで玉虫色になるまで口紅を点す化粧法を見たことはあったのですが、

本当にきれいな玉虫色なんだ~!

板紅は中の紅の色と合うようにデザインされているんですって、なるほど。

 

でも、コレって本当に赤色になるの??って思いますよね。

 

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ところがどっこい、水をつけた筆でとると

鮮やかな赤色がパッと!(写真が…)

 

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この紅を贅沢に塗り重ねて、

下唇を玉虫色にみせる化粧法が江戸時代文化文政期に流行したそうです。

笹色紅とか笹紅と呼ばれるんだとか。

 

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東京国立博物館蔵 祇園井特「京美人夏化粧図(部分)」

 

紅は高価なものだったので、実際にこのような化粧ができたのは、

高貴な身分の女性など一部の富裕層や、位の高い遊女のみ。

笹紅ができるということは身分を現すステータスでもあったんですね。

一般女性は下地に墨を塗ってから紅を点すことで

玉虫色に近い色合いに見せるという工夫を凝らしていたそうです。

涙ぐましい。

 

紅の原料となる紅花も飾られていたので見せていただきました。

 

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紅花の花弁から色素をとって紅が作られるそうですが、

美しい紅の原料にできる時期はほんの短期間。

この写真の紅花は紅の原料としては色付きすぎで、

この状態ではきれいな赤にならず、黒ずんだ色になってしまうんだとか。

紅花の色素は黄色がほとんどで赤色はほんの一部。

たくさんの紅花を使わないと紅が作れなかったので、紅は高価だったんですね。

 

入り口の展示、ケースのなかには紅の染め物が入っているそうです。

染める回数や濃さで色合いの違いを出しているそうです。

 

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赤色って太陽の色や血の色に例えられて、

そこから魔除けや命のイメージとして使われることもありますから、

大昔は紅を点すというのは魔除けの役割なんかもあったのかもしれませんね。

 

埴輪が赤色で彩色されていますが、口紅としてどうだったんでしょうね。

ポーラ研究所のページを見ると正倉院の鳥毛立女屏風は口紅を指していますけど、

それ以前はどうだったのかしら?

 

化粧文化についてはポーラ文化研究所が充実していますので

伊勢半本店のHPとそちらを見れば、ちょっぴり詳しくなれますね。

 

 

伊勢半本店 紅ミュージアム

〒107-0062 東京都港区南青山6-6-20 K's南青山ビル1F

03-5467-3735

【入館料】 無料

【開館時間】11:00~19:00

【休館日】 毎週月曜日

http://www.isehanhonten.co.jp/

すっかり年末ですね、信じたくありません、shikibuです。

館名からわかるように人形専門の博物館です!
最寄り駅はみなとみらい線の元町・中華街駅。
そちらから徒歩5分ほどの場所にあります。

コンセプトは「横浜発・世界の人形ふれあいクルーズ」。
こう…「クルーズ」のあたりが横浜らしさを演出しているんでしょうね、多分。

世界141カ国・約14000点の人形と人形に関する資料を所蔵しており、
展示されている数もなかなかのもの。

ほとんどのものは人形ですので、人形恐怖症の方にはオススメできません!


入館料は大人300円、券売機で購入です。

最初の展示室は「ノスタルジック・ハーバー」と名付けられており、
横浜と人形の関わりや、米国とのやりとりをした友情人形の展示です。



友情人形を差し置いて、気に入ったのは雑誌の表紙。
右の女の子の巻き毛や、左の女の子が和装にボンネットで大変可愛らしい!
人形を持っているということは、いいとこのお嬢さんです。
というか、明治期に少女雑誌を購入できる層はまずお嬢さんですね。


続いての展示室は「ワールドフェスティバル」
日本を含む世界各国の人形の展示です。

日本ゾーンはあれです、郷土人形!
おばあちゃんちの棚に飾って有りそうな観光地のアレ。
それがものすごい数あります、結構カワイイものも多い!
馬とか牛とかニワトリとか、生活に密着していたであろう動物が多いです。



私、未だかつてこんなにたくさんのコケシを見たことがありません。



海外の人形ゾーン。
こちらもアレです、海外で売ってる土産物の民族衣装を着たアレです。
アレ、アレ行っていますが大好きです。
民族衣装はモチロン、顔やデティールのちょっと微妙な感じもグッときます!


このアルパカの顔、もうちょっとどうにかならなかったんでしょうか?



左側のドイツの人形、きっとバイエルン州ですね。
完全に酔っ払いです、しかもあえての若い男女でなくおじいさんおばあさんセレクト。
すごくいいと思います。



左奥のネパールの人形の顔、たまりませんね。
アフガニスタンも何故髪が緑色なのか。



階段には人形ヒストリーのコーナーがあります。
私の心をとらえたのはコレ、にこにこぷん!!
世代です、すごく懐かしい!



階段を登ると日本人形、西洋人形のコーナーです。
大正期に作られた御殿飾り!お雛様です!
こんな立派なものが遊びに行った友達の家にあったら震えちゃいますね。
展示ケースの映り込みがきつい…



見方によってはホラーっぽい市松人形さん、存在感あります。
思わず、さん付けで呼んでしまいます。
生で見たときは気にならなかったけれど、写真で見るとちょっと怖いかも。
芽の部分のデティールがわからなくて穴に見えるからかな?



昭和の薫りプンプンの和製フランス人形です。
昭和の時代、棚の上にガラスケースに入れられて飾られていたインテリアドール!
こちらのお姫様は内藤ルネでしょうか?キュート!



最後はアンティークドールです。
西洋人形と言って、一般的にイメージされるビスクドールですね。
裕福な家庭の女の子の持ち物なので、細部まで本当に手が込んでいます。



この系統の人形は、
最初は成人女性のファッションカタログを目的として作られていたので、
8頭身のスタイルのいいボディーに流行の服を着ています。
顔は始めから無かったのか、失われたのか…?

ファッションカタログの役目は次第に印刷物に取って代わられますが、
印刷物が高価だった時代には、実際に人形サイズの服が見本として使われていました。



次第に愛玩人形となっていき、
女の子のために少女の姿をした4-5頭身の人形が作られるようになりました。

有名なジュモーもいくつか展示されていたのですが、
なかなか個性的な顔立ちですね、眉がきついというか独特。



アンティークドールは高級品だけあってガラスの眼の繊細さ、
衣装や小物の細かい作りがとーってもキレイ。
髪の毛も当時は人毛を使用していたためか、カールも結構きれいに残っています。

ビスクドールだ!うわっコワーイ!と思うかもしれませんが、
注目してみてみるときっと色々な発見がありますよ!



横浜人形の家
〒231-0023 神奈川県横浜市中区山下町18番地
045-671-9361
【入館料】 大人300円 小人150円
【開館時間】9:30~17:00
【休館日】 月曜日
http://www.yokohama-doll-museum.com/