「プラン75」鑑賞 |  pianoforute村のムーミンママのブログ 

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5月20日(月)


クレマチス




キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

「図書館でシネマ」

5月は、「プラン75」

次女と観に行きました。


会場は、ほぼ満席。

まだ40代の次女には場違いに感じる程、高齢者ばかり。


若者が、銃で自死する衝撃的な場面から始まる。

若者の頭が消えた画面に、美しい空と緑が長写。


いきなり、胸が苦しくなりました。



少子化が進んだ将来の日本。

満75歳から、生死の選択権を与える制度「プラン75」が国会で可決・施行された。

超高齢化問題の解決策として、世間はすっかり受け入れムード。

自分達が早く死ぬ事で、社会に貢献出来るという風潮が、高齢者の間に広まっていた。

夫と死別して1人で慎ましく暮らす主人公角谷ミチ(倍賞千恵子)は、78歳。

ある日、高齢を理由に、ホテルの客室の仕事を解雇される。

住む場所も失いそうになったミチは、「プラン75」の申請を検討し始める。

一方、市役所の申請窓口で、積極的に申請を勧めるヒロム(磯村勇斗)、死を選んだ高齢者に「その日」が来る直前までサポートするコールセンタースタッフの瑤子(河合優実)は、このシステムの存在に、次第に強い疑問を抱くようになる……


私はミチと同じ78歳。

ものすごーく共感します。

まだまだ体は動くし、仕事の段取りもきちんとできる。

なのに「高齢」というだけで、解雇。


理不尽だね。


離れて暮らす子供に電話するも、いつも留守電。

伝言を入れても、子供からかかって来る事はない。


悲しいね。


「プラン75」を申請して、コールセンタースタッフと電話でお喋りしたり、お茶したり。

ボーリングでたまたまストライクが出て、周りの若者からハイタッチをされた時のミチの嬉しそうな顔。


これこれ!

これなのよ、一人暮らしの高齢者が欲しいのは。

誰かと電話でお喋りしたり、お饅頭食べながら、笑い合ったり、「誰かと関わっていられること」それが大事なのよ。

ミチの子供が息子か娘か分からないけど、たまにでもいいから電話したらいいのに。

そうしたら、こんな選択せずにすんだのに。


ヒロムは、両親を早くに亡くし、プランの申請に来た叔父に偶然出会う。

いよいよその時がきて、病院に入った叔父。

既に冷たくなった叔父を、秘密裏に連れ出すヒロム。

「お喋りの相手をしてくれて、本当にありがとう。とっても嬉しかった!」

と言ったミチの言葉が、遥子を変えた。


その時を迎え、ベッドに横たわり、楽に逝ける薬を吸うマスクを付けたミチ。

だが、突然マスクを外し、病院を抜け出す…。


夕陽を見ながら、歌を呟くミチ。

ミチが立ち去った後の景色が実にいい。

山にかかった太陽が、今にも沈みそうで沈まず、灰色の雲の間から、力強い光を放っている。


正に絶妙なシーンが、長く続く。


そう!

まだ沈めない!

まだまだ輝ける!

輝かなくちゃ!


立ち去るミチの横顔が、とても穏やかで、美しいのが印象的でした。