数年ぶりの映画鑑賞「ハウ」 |  pianoforute村のムーミンママのブログ 

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2022年、「微小変化型ネフローゼ症候群」を発症。現在治療を受けながら、趣味の卓球、映画、読書を楽しんでいます。夫の野菜作りなど、日々の暮らしの中での気付きを思うままに綴っております。多くの方にお話相手になっていただけたら嬉しいです。

8月19日(金)

金曜日の新聞には、現在公開中の映画案内が載ります。
取り上げられる映画は、私も観たいと思う内容が多いのですが、上映時間帯が夜だったり、レッスンに被ったりで、中々都合よくいきません。

今日紹介された映画は、「ハウ」。
声帯を失って声が出ず、ハウッとしか鳴けない大型犬と、結婚式を間近に控えていたのに、婚約者に振られた民夫(田中圭)との強い絆の物語…。
ハウは、アクシデントにより、遠く青森まで運ばれてしまう。そこから、横浜の民夫の元へ帰るべく長い旅が始まる…というもの。

ああ、動物を主にした物語には、よくある題材。
途中ヨレヨレになったハウは、石をぶつけられたり、ひもじさに民家の家にある食べ物を盗み食いして、棍棒で殴られたりしながら、やっとの思いで、民夫の元に帰り着く…きっとそんな内容なんだろうな。
それだったら、観たくないと思いながら、記事を辿って行くと、どうもそうではないみたいで、観たい!という気持ちが強くなりました。

早速スマホで上映時間を検索。
あら、午後1時45分から4時10分だって。
昼間の1番行きやすい時間帯じゃないの。
しかも今日は、夫が同級生の通夜で、受付を頼まれているので、3時過ぎから夜までいない。
まあ、なんて好都合。
これは、観に行きなさいと言われているんだわと出掛けました。

映画館があるイオンまで、車で10分。
映画は「万引き家族」以来だから、何年ぶりかな。
券売機でほぼ中央の席を買い、何か飲み物を買おうと思ったけど、何列にも出来た行列を見て断念。
自販機でペットボトルのお茶を一本買って、5分前に入ると、あら だーれもいない。

予告編が始まっても1人も入って来ません。
そのうちボチボチ入って来て、暇だから入ってくる度数えたら、18人。
東宝シネマはここ以外には、甲府に一軒のみ。
そう言えば、甲府の東宝で次女と「タイタニック」を観た時は、他に誰もいなくて、貸切状態だったっけ。
今は夏休みだから、きっとチケットも買えないんじゃないかと危惧したけど。
私の列には、他に誰もいない。
あの、軽食売り場の沢山の人は、一体何を見るんでしょう。
後で、偶然にも同じ時間帯に「ジェラシックワールド」を観に行っていた3番目孫は、ほぼ満員だったそうで。

さて、「ハウ」。
婚約者に突然振られ、落ち込んでいた民夫(田中圭)は、保護犬の支援活動をしている上司の奥さんの勧めで、ゴールデンドゥードルという犬を飼う事に。
前の飼い主に声帯を切られて、ハウッとしかなけないので、ハウと名付けます。
最初は嫌々世話をしていた民夫ですが、徐々にハウとの絆が強まっていきます。
ある日、民夫がハウと散歩に出掛け、土手で眠ってしまった隙に、ハウは突然姿を消します。
必死に探した甲斐もなく、ハウとそっくりの犬が、車に轢かれて死んだと聞かされますが、民夫はどうしてもハウが死んだとは思えず…。
アクシデントがあって、ハウは横浜から青森までトラックで運ばれてしまったのでした。
じっと民夫と暮らした横浜の方向を見ながら、海辺に佇むハウ。
その時、「ハウー」と呼ぶ民夫の声が聞こえ、突然走り出すハウ。
民夫と暮らした横浜の家を目指して、長い旅が始まります。
ハウは、旅の先々で可愛がられます。
そして、ハウ自身も、震災後の風評被害で虐められ、自殺をしようとした女子中学生、夫を突然亡くし、失意にくれている老女、夫の暴力から逃げて修道院で暮らしている女性(実はハウの最初の飼い主!)など、悲しみや苦しみ、孤独に苛まれている人達を癒し、元気を与え、もう大丈夫と思うと、また旅を続けるのでした。

ハウが死んで(と思い込んでいる)一年以上経ったある日、民夫は今まで住んでいた家を売り、新しい生活を始める事にします。ハウを諦められない中で、新しい犬を飼う事も決まりました。
2ヶ月ぶりに前の家に行ってみると、既に新しい家族が住んでいました。
ハウとの思い出が詰まった家を後に、歩き出す民夫。
すると、民夫の後ろから、「ハウッ」。
思わず振り向くと、ハウが一目散に民夫めがけて走って来るではありませんか。
ハウの後から男の子とその母親が追いかけてきて
「この犬、お父さんの代わりなんだよ。僕のお父さん死んじゃったんだ」
「すみません、驚かしてしまって。こんな事今までなかったんですけどね」
ハウが民夫と暮らしていた家にたどり着いた時、男の子と母親がこの家に引っ越して来たのでした。
男の子と母親の言葉から、全てを理解した民夫は、ハウを抱きしめて「今度こそ本当のお別れだね
。でも幸せだね」と言い、号泣しながら走り去るのでした。


いやー、感動しましたね。
民夫が泣きながら走り去るラストシーン、私も泣いてしまいました。
田中圭さんの演技が見事で、つい感情移入してしまう。

個人的には、ハウが民夫と再開して、再び一緒に生活するラストにして欲しかった〜〜。

でも、この様なラストだからこそ観る人に感動を与えたんですね。
ハウも、もう民夫は自分がいなくても大丈夫。僕の使命は、この男の子のお父さんになる事と理解したから、民夫の後を追わなかったんでしょう。

それにしても、このハウ役の「ベック」君の演技力、凄いです。
経験豊富なベテラン俳優犬かと思いきや、まだ一歳のオスで、映画は初めてだというのですから、更にビックリです。
ピッコを引きながら、ヨロヨロ歩く姿は、表情もしょんぼり。なのに、民夫を見つめる目は、愛と喜びに溢れていて。
幾つかの全力疾走をするシーンは、調教師が教えたコースを間違えずに走り抜けたそうで、「ベックでなければ出来なかった」と感嘆したそうです。
撮影が困難なシーンの多くは、CGを使用するそうですが、ベックに関しては、一切なし。
プロデューサーさんは、ベックのあまりにも自然な演技に、台本を読めるのか?と思ったほどだったと。

孫にも見て欲しかったなぁ。

バァバは、ジェラシックワールドより、こっちの方が感動したよ。

「ハウ」の様な、じみーに感動する映画は、若者には人気ないのかな。


因みに、このゴールデンドゥードルと言う犬種は、ゴールデンレトリバーとプードルのミックスで、犬アレルギーが少ない盲導犬を作りたいという思いからだったそうです。

抜け毛が殆どないので、アレルギーになりにくいプードルと、温厚で賢く人懐っこい性格で、運動能力にも優れているゴールデンレトリバーとの交配で誕生したゴールデンドゥードルは、多くの盲導犬や災害救助犬の様なサービス犬として、活躍しているそうです。