やれ、自由になった♪
大空へ駆けていった悟空を追って、金の輪が頭にバチッと嵌められたのです。
何か知らぬが外してくれ~!と悟空が言っても
「外し方なんて知らないよ」
「あれ、この輪に何か字がある」
「梵字(ぼんじ)だ」
三蔵法師が何気なく読むと、悟空は頭が締め付けられる苦痛に転げ回っています。
その時、大空の彼方から観音菩薩様です。
悟空
三蔵法師は前世で、釈迦如来様の弟子金蝉子(こんぜんし)でした
そなたは三蔵法師を師と仰ぎ、危険から身を守り、尊敬すること
天竺の大雷音寺で経典を得れば、頭の《きんこじ》は外れます
それ以外に外す方法はありません
天竺へ行けばいいんだろ、とばかりに悟空はアッと言う間に大空を翔けて天竺へ
でも天竺まで行ったはずなのに何もない?
戸惑う悟空に、もと居た場所で三蔵法師がにっこり肩を叩いています。
「天竺へピューと空を飛んでいくのではない」
「困難を乗り越え、一歩ずつ進むことが修行になるんだよ」
その河の彼方から現れたのは、巨大な竜でした。
三蔵法師の白馬を襲っていますよ。
「こら~!和尚の馬を返せ」悟空は竜に飛びつき、挙句しっぽを捕まえて宙にぶん投げたのです。
力尽きて長々と延びた竜と、どうだ!と言わんばかりの悟空に
若い三蔵法師はただ魅入られていますよ。
気を良くした悟空は、竜に
この竜は玉龍(ぎょくりゅう)と言うんですね。
くるりと回転、白い馬に変身して悟空に寄って来ました。
へえぇ~ 悟空に「兄貴」と呼んでいますね。
日本版の可愛い大泣き龍ちゃんのエピソードを思い出します。
かくて、玉龍の白馬に乗った三蔵法師と、傍に居て宙に浮いている悟空の天竺への旅が始まりました。
「今後 何かと戦う時は、先に相談してくれないか」
「うるせぇ」が悟空の返事でしたが^^
つづく