NHKプレミアムで放送されました。
先日、歌舞伎界のスーパースター、市川猿翁さんが亡くなられました。
現在歌舞伎で人気あるジャンル「スーパー歌舞伎」を立ち上げられた方です。
初演は1986年(昭和61)
私も知っていますよ。
あの有名な日本武尊(やまと たけるのみこと)を題材に、ラストシーンは
しらとりになって客席の頭上を宙乗りで駆けていく・・・
私も東京に居たら、観たかったなあと思ったものです。
今回は、その有名な舞台をかって中継した録画で放送されました。
1995年(平成7)に収録されました。
何と! 4時間の大作でした。
お客さんも私も一応、ストーリーは知っているので舞台についていきましたが、
八岐大蛇(やまたのおろち)も登場しました。
でも圧巻は、何と言ってもラストシーンです。
ヤマトタケルは当時の天皇の第2子でした。
いろいろあって父天皇に疎まれ、戦地へ追いやられました。
どの戦さにも勝利して、一旦はふるさと(王国)へ帰還しましたが、直ちに次の戦地へ追いやられ・・・
ヤマトタケルは戦地で病気になりましたが、帰れないのです。
彼を心から愛する部下たちに支えられ、ふるさとを遠く偲んで悲しみの言葉
やまとは くにのまほろば
たたなずく 青がき
山ごもれる
大和し うるわし
やまとは国の中で一番良いところ
青い山々に囲まれた
大和は本当に うるわしい
※ 古事記から
ヤマトタケルの終焉の地から、白い鳥が飛び立って行きました
ふるさとの大和を目指して・・・
しらとりになって、ふるさとへ飛んでいく
ゆっくりと羽ばたいて、客席の上を宙乗りで飛んでいきます。
おおっ! どよめきと、さざ波のような拍手
この作品は評判になって、何回も再演されています。
きっとこの先も、役者は替わっても上演されるでしょうね。
私は遠い昔、三船敏郎さん主演の映画「日本誕生」を観ました。
1959年(昭和34)
その時も映画会社総力を上げての大スぺクタクルでしたが
ラスト、ヤマトタケル(三船敏郎さん)の遺体からしらとりが一羽、飛び立って
悲しそうに啼きながら大和を目指していったシーンに泣けました。