「翻弄」ゆらぎ139『ムギョル』 | jks & …muuminのブログ

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チャン・グンソクうなぎ

妄想の小部屋。少々腐入りです。

苦手な方はスルーしていただきますよう

ご注意ください。

ご訪問してくださるみなさまに心から感謝とお礼を申し上げます。




。。。。。。。。。。

Byond the time

『時を超えて』ムギョル 其の9

。。。。。。。。。。


It is  continution

続きをどうぞ・・・






木枯らし。。。

コートの襟を立て、先を急ぐ。
時折、風が巻いて前に進めないほどだ。
あまりに寒いので、戻ろうか、と考える。

そう思った途端、ピタッと風が止んだ。

歩き出すと、ブーツの底がシャリシャリと音を鳴らす。

少し、雨が降ったのか、辺りにある車も地面もしっとりと濡
れている。ぐるりと見渡すと、駐車場の角にコカ・コーラの
ロゴが入った自販機があった。とりあえず、カイロ代わりに
温かいコーヒーでも買おうか。


角まで行くと、また木枯らしが吹いてきた。
木の葉を舞い散らす風に、思わず目を瞑る。


なぜだろう。


瞼の裏に、不思議なほど鮮明に、ドラマの撮影で演じた
ムギョルの顔が浮かぶ。


カン・ムギョル。


その字面を思い出すだけで、心の片隅に、華やぐような何か
を覚える。


不思議だ。演じたのは自分なのに。



曇った冬の夕方。
弘大の路地裏の古びたアパート。
その、目の前に現れた、髪の長い、地味なコート姿のムギョル。


景色は、すべて灰色に彩られているのに、記憶は何故だか赤い。
どこにも、そんな色は無いのに、真紅のイメージがつきまとう。


今、ムギョルに会えたら、この赤の正体が解るのだろうか・・・

馬鹿な。何を考えている。


ソギは目を瞬いて、コートのポケットから携帯を取り出し、通話
ボタンを押した。コールは10回以上続いた。出そうにない。
諦めようか、と思った時に、相手が出た。


「・・・はい、もしもし」

中音域の、濁りのない、真っ直ぐな声が耳に飛び込んできた。
こんなに澄んだ声だっただろうか・・・


「あっ!・・・ソギです」


「・・・はい」


間が空く。うまく会話を続けられない。


「あの・・・ムギョルの話を・・・したいんですが・・・」


また間が空く。不格好な焦りだけが積み重なっていく。

通話の相手はキム・ジェウク・・・


ぼくは・・・

ムギョルに・・・ジョンインに・・・逢いたかった。


「・・・どこで?」


ジェウクに訊かれ、いつもの、弘大のBARの名前を告げる。


「少し遅れるけど・・・先にやってて」



毎年、木枯らしの吹く季節になると、ぼくは、無性にムギョルに
会いたくなった。ジェウクはそんなぼくの気持ちを察して、メリ
役のムン・グニョンと、ソ・ジュン役のキム・ヒョジンに連絡を取
ってくれる。


弘大のBARは不思議な空間で、ぼくたちはドラマの続きを
実体験しているような気分になった。


アルコールの所為でもあるのだが・・・




。。。。。。。。。。






「ムギョルを頼む」・・・


チョンサの顔を見て、ホッとした。


時折、ブルッと体を震わせて、ムギョルは左足を引き摺るよ
うにして、歩いてる。


「はい。こちらへ・・・」

チョンサの示す方角から、白衣を着た見知らぬ男たちが現れた。


「チョンサ!お前!・・・俺を・・・」


首元にチクッと痛みを感じて、意識が朦朧としてくる。
言葉が続かない。

シンはチョンサに裏切られたのだ、と無念な思いを噛みしめた。






。。。。。。。。。。





ムギョルは、ガラス張りの集中治療室のような部屋で目覚め
た。頭の芯がまだ、朦朧としている所為か、誰かに見られて
いる気がする。ゆっくりと、眼を開けて、辺りを見回した。


誰も居ない。


「・・・大丈夫か?」

頭の中で声がする。

ハッとして、頭がおかしくなったのか、と思う。
打たれた薬の所為?・・・

眼を閉じた。もう、声は聴こえない。


体を起こそうと、右手の肘をベッドに付けて起き上がろうと
していたら、ドアが開いて、白衣を着た人物が入ってきた。

後ろから、神妙な顔をしたチョンサが顔を出す。


「・・・ぼくは医者です。イ・チョインと言います」

自己紹介された。


「気分はどうですか?」

チョインに優しく訊ねられて、少し面喰う。


「ここは?・・・ぼくは・・・何をされたんですか?」


ムギョルの問いかけに、医師は少し困った顔をして、
チョンサを見た。


「これから、診察をするから、君は戻っていいですよ」


医師はチョンサに部屋から出るように促した。

チョンサはドアへの前で、くるりと振り向くと医師に一礼し
て出て行く。ドアが閉まるのを確認して、チョインは椅子
を運んできた。ムギョルの前に背筋を正して座る。



「説明は長くなりますが、大丈夫ですか?」

「・・・はい」



シンはガンに侵されて、この病院へ入院した。研究所が併設さ
れているので、シンは最新の治療を受けている。

シンがこの病院へ入院できたのは、オーナーの息子、ソジュンと
友達だったからだ。ガンが進行するに従い、妄想めいた話をする
ようになったシンは、チョインにおかしな質問を繰り返した。

その質問は、クローン人間についてだった。

シンの話は、この研究所のオーナーとその息子、孫と言われてい
るソジュンと結び付く。

オーナーの息子は原因不明の難病に侵されていた。臓器移植が
必要になり、クローン人間を作る実験が行われたとの噂が、まこと
しやかに囁かれていたのだ。結局、臓器移植は失敗に終わり、オ
ーナーの息子とソジュンは亡くなった。


ソジュンがクローンだったかどうかは、解らない。
だが、シンが入院してくると、研究所が騒がしくなった。

ムギョルに執心しているシンの話を聞いて、オーナーは息子に
そっくりなムギョルに「会ってみたい」と言い出した。チョンサは
オーナーの依頼を受けて、ムギョルを拉致したらしい。


シンは末期ガンだ。今は集中治療室に入っている。

しかし・・・

と、チョイン医師は考える。

オーナーに見せられたソジュンの写真とムギョルは瓜二つだ。
果たして、ムギョルはクローンなのだろうか・・・



ふと、ムギョルの視線を感じた。

視線は、こっちが恥ずかしくなるほど、真っ直ぐに向けられ
ている。奇妙な感覚に囚われた。頭の中を覗かれるような。
それでも、それを拒みたくないという、不可思議な心境・・・
ムギョルの怒ったように引き結ばれた唇が、艶めかしい。



「・・・それでは、診察をしましょう」


咳ばらいを一つして、思いを誤魔化す。


ムギョルは俯いて、パジャマの紐を優雅な仕草でほどくと、頬
を薄く染めた。そうして、恥ずかしそうにパジャマを左右に広
げて、ァッ!と小さな声を出す。胸を出して、上目づかいでチョ
インを見るムギョル。


まるで淑女のようだ。


チョインは・・・ただ、痴呆のように・・・



ムギョルに見惚れていた・・・











to be continued




今日もお付き合いいただきいてありがとうございました。
いつもいいね!やペタ、コメントをありがとうございます。



木曜日に、母の所へ行ってきました。
少し、送れましたが、今年も無事にお誕生日をお祝いできました♡

今年も、元気で、笑顔で、一年を過ごせたことに感謝して・・・
ローストビーフ丼をセットで食べて、お腹いっぱい!(*'ω'*)

ダメ押しのケーキが来て( ;∀;)・・・アセアセ(-"-;A ...♡
母と大笑いしながら食べました(〃艸〃)🎵



忙しかった1週間も無事に終わり、今日は衣替え終了(*'▽')
後、2日でソギに会えます♡ファイティン!!!



良い週末をお過ごしください♡




あんにょ~ん♡