私は3w5dというかなり早い段階でこの妊娠に気がついた。
妊活をしていたこと、たまたま排卵日がかなり遅れていたことが理由である。
基礎体温はつけていたが安定しないグラフだったため、妊娠が判明した時点では、排卵日が遅れていたことがわからず、
すぐにでもつわりが始まるのではとびくびくしていた。
その直後に病院に行き、エコー写真に何も写らないことから、相当初期であることがわかった。

「つわりが始まる時期は、一般的には5~6週からが多いとされている…。
早い人では4週から…。
猶予があるような、ないような…怖い…。」
喜びもつかの間、病院を出てすぐにこのような気持ちになった。
これから母になるというのに、私の心はとても不安定で、そんなの絶対によくないと思いながらも、どんどん不安は加速していく。
夫とも相談し、藁にもすがる思いで、少しでも心が安定すれば、と病院帰りの車の中で精神科の予約をした。

最短の予約で5w4dを迎える日であった。
丁度この前日くらいから、私の体調は悪くなり始めていた。
精神科に行き、初診であったため、お医者様から様々な問診がなされた。
私は幼い頃から嘔吐恐怖症であること、現在妊娠をしていてつわりが怖いことをお話した。
そこで先生は
「今仕事はしてるの?」と聞かれ、
専業主婦であることを答えると
「ずっと家にいられるなら吐けるじゃない」
というようなことをおっしゃった。

これなのである、これこれと思った。
私が昔から嘔吐恐怖症者内の症状の差違として感じている部分。
人前で吐いてしまったらどうしようという恐怖から、外出や外食が困難になる嘔吐恐怖症。
吐くことそのものが怖い嘔吐恐怖症。
私は後者なのである。
正直周りに人がいようがいまいが関係ない。
誰かに見られようが、落ち着いて吐ける環境たろうが、吐くこと自体が怖い。
むしろ「吐く」という行為を受け入れられないので、トイレに向かうとか、袋を口にあてがうとか、するべき行動を取れない。
(子どもだったこともあるが、過去吐いてしまった時は、いつもその場であった。)
前者と後者の症状が合わさった方もいるかもしれない。
私は前者の症状について正しく理解できていないかもしれない。
そもそもこの二分の仕方が適切でないかもしれない。
なのであまりわかったようにも語れないのだが…。

昔「嘔吐恐怖症」というタイトルの本を読んだことがある。
精神科医向けの本だったのかもしれない。
内容はうろ覚えであるが、
認知行動療法で症状が改善された方の例がいくつか載っていた気がする。
そのどの例もが、外出や外食が可能になった類いの話であったような覚えがあり、
本を読んだ当時も、では私のような外出も外食もできる人はどうしたらいいのだと、思った記憶がある。

確かに外出や外食が困難なことは、日常生活に影響があり、差し迫った症状であるし、それに対し、有効な治療法があることはよいことである。
また、大丈夫であったという経験を積むことが、症状を改善させていく、という内容は、どのようなタイプの嘔吐恐怖症者にとっても、有効な部分があると思う。
ただ、やはり、直接的に私のようなタイプの恐怖を克服する治療法ではないのかなと感じてしまうし、治療法がないのかとも不安になる。
吐くことそのものが怖い場合はどうしたらいいのだろう…。

話は戻り、私は先生に必死で吐ける環境かどうかは関係ないこと、吐くことそのものが怖いことを説明した。
先生は嘔吐恐怖症をご存知なかったようで、先の発言も、感覚的におっしゃったことのようであった。
問診を続けていく中で、先生は興味深そうに私の症状を聞いてくれた。
それと同時に、治療法について、悩まれているようであった。

結果的には、漢方薬をいただいて終わった。
私が妊婦であるため、安定剤や吐き気止めなどは出せないこと、すぐに行える治療法がないことからの判断であった。
私が感じただけのことかもしれないが、やはり、私の症状に合う効果的な治療法は中々ないのかなと思った。
恐怖を感じ、吐き気や不安が生じた際に、直接的に症状に対処する薬の処方が今の限度なのかなと…。
帰り際、先生が「どうにかしてあげられなくてごめんね」というようなことをおっしゃった。
そんな発言をさせてしまって、申し訳なく感じると同時に、お医者様にも難しいことなのかと少し悲しい気持ちになった。

過去、嘔吐恐怖症の治療を謳っている精神科にも受診したことがあり、その際も症状の改善は感じられなかった。
今回受診した精神科は、特段嘔吐恐怖症についての専門的な病院ではなかったので、ある意味想像通りの結果だなと思った。
それでも、行って良かったと思う。
漢方薬という一種のお守りを得ることができたし、(今は産婦人科で処方された漢方薬があるので飲むのはやめてしまったが)
ある種の踏ん切りがついた(気がする)。
あとはもう耐えるしかない、と…。

精神科にかかってから1ヶ月以上が経った。
このまま通院を続けるかは、悩ましい部分もあるが、つわりが落ち着いたら、機会を見てまた受診するかもしれない。
病院は、私にはない専門的な視点をくれる場でもあるから。
やはりどんな時も、一人で抱え込まないことは大切だと思う。
話を聞いてもらえるだけでも違うものがある。

このつわりの日々の中で、嘔吐恐怖症持ちでつわりと闘っている(た)方の、書き込みに、私は何度も救われている。
この苦しみと闘っているのは私だけではないと。
そして乗り越えてきた方がたくさんいるのだなと。
本当に心強い思いになる。
今日が10週最後の日であるが、相変わらず気持ち悪くて横になっている。
いつよくなるのだろう。もう疲れたと弱音を吐きたくなるけれど、
少しずつ終わりに向かっていると信じて、今日も耐えます。
11月お疲れ様でした。12月も頑張ろう。