戦争による食糧難の時代から栄養失調の戦後、さらに今日に至るまで栄養学を中心とした健康を目的とする食生活は今も拍車がかかり、ファーストフードや添加物を使った加工食品ではなく、自然食品、天然成分養分を追い求め、野菜や果物や茶などの植物に期待している。
戦後から続く「足りない志向」「プラス思考」は健康食品産業を発展させ、サプリの全盛期を迎えた。
企業は動植物からの成分抽出、濃縮に没頭、薬品同様に数えきれないほどの新製品を誕生させた。
通常食品としてではなく、健康食品・サプリ用として広大な農地が必要になり、膨大な肥料が土中に投入される時代になってしまった。
無毒・有毒に関係なく、水に溶けた成分をすべて根から吸収する植物は与えた肥料次第で味が変わる、それが植物の本質。
だからどのような肥料が良いか人は考え続ける。
味付け調理のようなものだな。
今の野菜を「養殖野菜」「加工食品」と野人が断言するのはそれが理由だ。
同じ道理で人はどのような成分が体に良いか、何十年も考え続けている。
植物は農薬を必要とせず、人からの養分供給を必要としないが、さらに「与える」ことを前提に、「化学肥料が駄目だから一昔前のオーガニック」という根拠もない説が生まれた。
動物と違って親が子に食べ物を与えて世話を焼く植物など存在しない。
植物は例外なく発芽した時から自力で生き抜く生命力を持っている。
「空気と水」という何処にでもある無機から有機を作り出し、多くの動物を養っている。
神業をもってすべての動物を支え続ける植物に、何故エサを与えなければならないのか。おこがましいとは思わないのかな。
エサを創れない人間が、エサを創れる植物にエサを与えてそれをエサにするようなもの。 何ともややこしい関係図だな。
他の動物のように、植物に余計なことをせずに素直にいただけば問題なかったのだが。
エサを与えるなら、本当に植物が必要とするものであれば植物は喜び正常に育つだろうが、植物の仕組み、動力すらわからないのだからそれがわかるはずもない。
植物にとって異物を与えるから異常に肥大することになる。
肥大して標準体に簡単に戻らないのは人間も同じだな。
人もペットも家畜も、野菜果物と同じ道を歩き、同じ問題を抱え込んだ。
大地を破壊して耕し続けるほど、水や異物を投入し続けるほど、食用植物としての本質から遠ざかって行く。
そこに気付かない限り「健康」という目的が果たされることはないだろう。
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