野山の植物ガイドを始めて30年以上、礒の生物ガイドは40年。 船釣り、磯釣りガイドは45年前から、ヨットなどマリンスポーツ講師は40年以上前から15年間。
野山では山菜・木の実・薬草・毒草・樹木・有用植物など植物が大半で、キノコガイドはやらない。
小さい頃からアケビやシイや野イチゴなど木の実と同じくらいときめいたのがキノコだが、人への案内は避けた。
マッタケ、ハッタケ、ヒラタケ、エノキタケ、ナメコにキクラゲ、山で見つければ嬉しい。
当初は「秋のキノコ狩り」をやる気満々で猛勉強・・
広大な野山と農地を有するヤマハリゾート施設では、シイタケ・マイタケだけでなく、自然遊歩道でナメコ、エノキタケ、ヒラタケ、キクラゲを自生栽培、収穫もさせていたが、野生キノコのガイドは結局やらなかった。
キノコ図鑑・関連書も10冊以上所有、知識も実践経験も長かったが、マリンスポーツの中で最も得意なスキューバを教えなかったのと同様の理由でキノコガイドは断念した。
理由は、リスク・危険が大き過ぎるからであり、判断を誤れば生死にかかわる。
毒草や毒果実と違い、菌類の専門家でもすべての毒キノコは正確に判別出来ないからだ。
日本では約300種のキノコが食用にされ、うち十数種が人為的に栽培されている。知られた毒キノコは約200種で、20種ほどは中毒者が多く死に至る猛毒があるが、多くは毒の内容が不明。
国内には5千種以上のキノコが生息しているが、名前がついていない、つまり新種のほうが多く、毒キノコの食毒も不明だ。
健康食品として販売されるキノコ加工品は、医学的にその安全性が確認されかつ有効性が立証されているものは未だない。
調査も解明も進んでいないキノコの判別は似たようなものでも難しく、時間も労力もかかり確定判断も不確か。
類似毒草との判別法が明確な山菜と違い、食用キノコの判別には類似毒キノコが明確ではなく、これからの新種も含めて無限に出て来る。 これでは完全な判別は不可能に近い。
誤食事故には初心者もいるが、大半はフグ同様にキノコ愛好家。
スキューバ潜水と同じで「しまった・・」と思った時には命を失っているかもしれんな。
生兵法は怪我の元だが「熟練しても怪我の元」が野生キノコ。
今は大丈夫でも変幻自在な「毒物」を相手にするようなもの。
誤食中毒件数で最も多いのはシイタケそっくりのツキヨタケで2番目が種類不明のキノコ。
死亡件数でも一番多いのはやはりツキヨタケ。
キノコの中でシイタケは最も身近な存在だから油断があるのだろう。 群生のものは判別出来ても、たくさんのシイタケの中に間違って数個混入した場合は気付くかな?
菌類・キノコは環境に応じて自在に形・性質を変える。
種から定まった種が育つ植物と違い、集団で形を築くアリ塚のようなもの。
慣れ親しんだキノコそっくりの毒キノコも出て来るだろう。
パソコンの新バージョンと同じで、ついて行けず、しかも命がけ・・
人間に根こそぎ乱獲されるマッタケも、存続をかけて反乱に転じるかもな。 菌類は植物より簡単に毒が作れる。
色も形も香りもそっくりで・・猛毒 イチコロ・・
名を付けるなら・・
同じマッタケ科で、マッタケのいとこ・・マタンケ
類似シイタケがツキヨタケだから、これは「アノヨタケ」とか・・
キノコ同様にバードウォッチングや昆虫のガイドも野人はやらない。 やらないと言うより人並みにしか名を知らない。
さらに呼び名も省エネ、すべて「虫」か「焼き鳥のポチ」。
それで困ることはないが、本当の名をすべて忘れてしまう。
野人のガイドは食用・薬用などすべて使いこなすものばかり。
名前よりも食べ方や毒性や扱い方だ。
虫や鳥たちは協生農園のスタッフだから、捕まえて「使いこなす」ことは考えていない。
子供の頃は「美味しい鳥の名」しか覚えられなかったが、今は小鳥を食べない。
野鳥が趣味ならいいが、名を覚えても仕方がない。
幼少期も社会に出てからも職業柄誰よりも殺生したが、殺生は元から好きではない。
小学校の昆虫採集も無意味で嫌だった。
何で、原寸図鑑でわかるのに針で刺してショーケースに入れるのか・・
食べもしないのに捕まえたカエルやフナを解剖するのか・・魚屋のアジならよいが。
海の生き物・陸の生き物、誰よりも詳しいように見えるが・・
野人の虫と鳥と花の知識は人並み以下・・野菜の知識も。
皆さんの方がはるかに詳しい。
この理由、おわかりいただけただろうか。
食うか 食えないか 食わないか これに尽きる
笑いながら悶絶・・・
食べれば 死ぬ ツキヨタケ シイタケそっくり
おいメジロ・・名前は? 山の手の大塚スガモ~
お手 炭火に・・あたるかい?
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