2日間の講習会で出した「日の出ヤマビワ」とは山に自生するビワの事だ。
日の出男が急斜面の茂みを這いあがって獲って来た。
昨年は不作で、ヤマモモもヤマビワも見かけなかった。
木の実は隔年結果が普通、こればかりは仕方ない。
人は肥料を与えることで果樹栽培のムラを無くしたが、多くの実を付け肥大しても木の実としての本質、食べ物としての本質は失われる。
市販されるビワは大きさも、立派で高価な割には甘味もなく美味しくない。
一つの葉茎に届けられる成分・糖分は決まっているのだから、他は余計な肥料成分で甘味も失われる。
小粒のミカン、栗、ベリーなどの方が味のバランスがとれて美味しいのはそれが理由だ。
卵型のビワはすべて栽培種であり自生はしていない。
畑の端や斜面に昔植えられたものが野生化、自ら実を調整するのだから小さくとも甘くて美味しい。
ミカンのように、1年間肥料抜きで放置すればどの栽培種でも美味しく食べられる。
鳥が食べて種を落とし、育ったビワは場所を選ばず急斜面でも育つ。
栽培種の種から発芽したビワも、野生種から発芽したものも小粒で丸い実を付けるようになり、さらに甘味と旨味を増して来る。
穂先にキンカンサイズの数十個の実が鈴なりとなり、果物と言うより「木の実」として野人はとらえている。
この味に栽培ビワは絶対に勝てることはない。
いくら肥料を開発して今のイチゴのように不自然に甘くしようがエネルギー量で勝てないのだ。
このビワを食べた多くの人の反応からもそれがわかる。
日の出男も、子供の頃からよく見かけるこの山の自生ビワ、あまりに貧相に見えて食べた事はなかったらしい。
この歳になって初めて食べた感想は・・
ムチャクチャ旨い ・・だ。
協生農法で生産する主なビワはこのヤマビワであり、木の実として扱う。
栗も小粒で濃厚なシバグリ、キウイではなく原種の小粒なシマサルナシも。
接ぎ木苗ではなく、多くは種から発芽させ、実のサイズは問わない。
品種品質を保つ為に接ぎ木苗が常識となっているが、動物で言えば下半身の「臓器移植」、これでは快適に育つはずもない。
摘果もせず、袋かけもせず、肥料も農薬も使わなければ農家はどれほど楽か・・
見栄えはしなくとも、小さくとも、数食べればよいではないか。
昨日の農法講習会、梅娘二人は依頼した梅を70キロ運んで来た。
ついでに、ちっこいヤマビワも10キロ獲って来たが、これも甘くて美味しい。
探せば放置されたビワもヤマビワもどっさりあるから、来年は読者に販売するか・・
ビワの認識がガラリと変わるはずだな。
ヤマモモとヤマビワの甘さ
http://ameblo.jp/muu8/entry-11562016955.html
原種キウイ シマサルナシ も 九州の山に自生