海洋の大半は深海であり光が届く沿岸はほんのわずかしかない。
プランクトンからは随分進化したと言っても、これでは肩身も狭く海の生物達の脇役・・隠居暮らしもアワビやウニの相手も飽きて来た。
これ以上はどうにもならず、進化のしようもない。
要するに・・ワカメやコンブの祖先達は
ヒマ だった ・・
毎日毎日沿岸の海底で・・日向ぼっこしながら
すぐ目の前にあり、ぼんやりと見える陸地へ思いを巡らした。
「う~み~は 広いな 大きい・・けど ココせまい 深いとこ無理
これが元祖ワカメの心境だっただろう
おそらく・・きっと
子分の「藻兵部隊」が作った酸素は陸に満たされ、酸素が作ったオゾンで紫外線毒も消えた・・
しかし、水がなければ生きられない。
海から蒸発した水が大量に降り注ぐのだが、一気に岩肌を流れて溜まる気配もなく海へと帰って来る。
動き回る動物性プランクトンは、動けない植物性プランクトンから誕生した分身。
偶然と言われているが、必然的であり植物性プランクトンの意志だ。
水がない陸では、植物性プランクトンも育たず、それを食べる動物性プランクトンも空中を漂えず、それを食べるイワシの代理もいないのだ。
最初に大量の「藻」さえ提供すれば後は全てが上手く行く海とは勝手が違う。
それに、陸に海と同じものが本当に出来るのか。
とにかく 気が遠くなるが・・
最初にやることは水を陸に止める仕組みを考えること。
これが出来なければ何も出来ない。
陸の雨水はミネラルを含まず生き物は生きられない。
しかし生き物は水分がなければ生きられない。
簡単に挫折したワカメはヒジキとアオサに相談した。
そこにホンダワラが・・ ええいキリがないな
とにかく海岸端会議は数億年を費やした。
生命に必要な海のミネラルを含む水を留めるのは大地の表面しかなく、池にすれば陸の動物は住めず、すぐに流れ出せば水不足。
よ~く考えてみなさい・・これだけのことが
ワカメやコンブに思い付くはずもない
生命の神秘には誰も近づけない。
人知は葉っぱ一枚の仕組みにも及ばない。
これはもう・・何と言うか
宇宙の仕組み 地球の意志と言うしかない。
しかしそれでは話が進まず 面白くない
ここはひとまず 最後までワカメに主役を務めてもらうしかないな・・
水を溜めず、流さず、その仕組みが必要であり、大地に適当な厚み・・数十センチの海のような仕組みを築くことになったのだが・・・どうやって
そこに、ワカメの根元で昼寝していたタコ が
加わった。
タコはたまに潮が引いた海岸線を散歩している。
そこに海がなくても水気があれば少々は生きられる。
砂の中の貝やカニを掘って食べるのもお手のもの。
そのタコが・・言うのよ タコが・・
「カニ・・掘ったらおるぞ アサリも 何時間も水なしで生きとるわい」
思わず・・ワカメとコンブの目は 味噌汁になった
その辺まで揚がったことがないから知らなかった。
それに・・アサリもカニも味噌汁仲間ではないか
海底には泥があり、水が引いたり満ちたりする海岸線にも砂や泥がある。
生命が住めない陸にはないものがそこにあった。
それが半陸の「干潟」であり、ワカメとコンブとヒジキとアオサとホンダワラと・・タコは干潟の研究を始め、すぐに住み移ったヒジキとアオサを先頭に干潟の開拓が始まった。 干潟は海と陸の橋渡し・・
ヒマなワカメ達に希望を与え 陸先案内を務め
八本の手足で陣頭指揮をとるタコは・・
尊敬の的になり 一歩 神に近づいた
続く・・
タコの緯業は アドレス・・
「タコの頭337拍子」 となって
お野人の携帯の中で 今も歴史に残っている
大地の仕組み 植物と動物の誕生
http://ameblo.jp/muu8/entry-10104457921.html
タコの頭の中
http://ameblo.jp/muu8/entry-10085044265.html
タコ踏んじゃった タコは世界一の美食家
http://ameblo.jp/muu8/entry-10112696595.html
迷子のタコ太郎
http://ameblo.jp/muu8/entry-11568303567.html