命のぬくもり | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

帰りが遅くなり、今日もまた省エネ記事か、お休みするつもりだったが・・


山で鹿の命をいただいた。

鹿や猪の命は毎日のようにいただいているが、今日は久しぶりに自ら手を下した。

いつもは猟師さんの手を借りているが本来は野人がやるべきことだ。


駆除の檻にかかったのは角が見事な巨大なオス鹿で、諸事情から野人が出向いた。

処理出来ないからと言って逃がすわけにも行かず、命を奪い埋めるか食べるしかなく、どちらも重労働なのだ。

奥さんの案内で細い山道を軽トラで上り、完全な血抜き処理して持ち帰った。


「ごめんね」・・と言いながら命をいただいたが、何度やろうが辛いことに変わりない。

奥さんは見るのは初めての経験で、重過ぎる鹿の車への積み込みを手伝ってくれた。

すぐ近くの所有田の周囲は柵を巡らしているのだが、鹿や猪は簡単に破り、容赦なく荒らしてしまう。

悪気があって荒らすのではないが、終わりのない戦いのようなものだ。

夫婦共に食べるのも殺すのも好きではなく出来ない。

田を守る為だけにやっていると言う。


現場では冷却も満足な処理も出来ず、ビレッジに持ち帰ってやった。

1時間以上経っても内臓はまだ温かく、10キロ近いだろうがすべて使うことにして保存、捨てる部分はほんの一部、本格処理は明日だな。

頭も角も骨も耳も足もひづめも皮もありがたく使わせてもらう。


鹿の皮剥ぎも終わらないうちに次ぎは南伊勢町から猪が獲れたと電話があった。

急いで外した両足はまむし頭が鹿ジャーキー用にスライスして浸け込んだ。

数十キロもある鹿の胴体はそのまま冷蔵庫に入れ、午後遅く再び片道1時間の猪運び、ジョンも連れて行った。


大雑把だが猪は綺麗に皮剥ぎ解体されていて大型クーラーに納まったが、これだけの作業は80半ばのおじいさんにとっては3時間がかりの重労働だっただろう。

頭もひずめも使う野人の為にそれらもある程度綺麗にされていた。


台の上で解体作業するまでには、現場で絞めて血抜き、運び出して内臓を出し、2時間ほど水に浸けて冷やさなければならない。

そこまでやってからやっと台の上に乗り、皮を剥いで大まかに解体される。

細かく切り分け、それらが精肉として使えるまでさらに数日かかる。


明日からまた・・包丁一筋、円月殺風景。

命を無駄なく使うことで大勢の人達が救われる・・・

毎日がお詫びと懺悔と感謝の日々だな。

野人 山に登り鹿を担ぐ

http://ameblo.jp/muu8/entry-11097105524.html

ひよこの日曜日 猪との遭遇

http://ameblo.jp/muu8/entry-11822091989.html


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