重いイケスを引っ張りながらやっと帰港
昨日の火曜日、野人はピンチに陥った。
恒例行事で、地元大湊小学校のキャンプに参加する生徒達にヨット体験と、魚のお話と旨い刺身を食べさせてあげる日なのだが事前に魚の手配が出来なかった。
人数は6年生の生徒教師合わせて45名、ヨットのボランティアスタッフ十数人、合わせて60人分の刺身用の「活きた魚」が必要なのだ。
昨年は鳥羽から友人の仲買人が黒鯛を届けてくれたが、今年は台風の影響が長引き船が出ず、前日に不可能と連絡が入った。販売業者のイケスは養殖魚しかない。
川漁師のジャックにも頼んでいたが、これも台風の影響で宮川は濁流と増水、最初からあきらめていた。
しかし、キャンプは予定通り実施される。
魚がないと言うことで今年はお詫びも考えたが、生徒達の残念がる顔が目に浮かび、ジャックに頼んだ。
上流から流れてくるゴミが大量にかかれば網は何とか引き揚げても被害甚大、外す手間も補修も大変。
しかしジャックは快諾
かくしてイベント当日の朝、
水陸両用、最強のハンターコンビは宮川河口でのクロダイの追い込み漁に出航、海からは1㎞上流だ。
朝8時に網を仕掛けたとジャックから連絡があり、8時半に2人で出航、追い込みを始めた。
ジャックは自作で中に金属を入れたステンレスのドラムを作り、それをロープで引いて川底を転がせば金属音に驚いた魚が下流へ向かい網にかかる。
水深は1mから5m、水は白く濁り透明度はまったくなかった。川の流れで高さ80㎝の網は底にへばり付く。
追いこんだ後に網揚げ開始、最初はパラパラと中型黒鯛が揚がり、しばらくしてジャックは何とか「ノルマ達成」を喜んだ。
このペースなら残りは30分で揚がると判断、車で5分のビレッジに連絡、まむし頭に氷を入れたクーラーを30分後に持って来るよう依頼した。 とにかく・・
70mの網をすべて揚げなければ帰港出来ない。
しかし・・これからが大変だった
ゴミもかかるが、1キロを超える大型黒鯛がダンゴのように連なって揚がって来るのだ
それを船上で1匹づつ網から外さなければさらに絡まり網が駄目になってしまう。
ジャックは何度手を背びれで刺されたかわからないほど・・「アイタアイタタタ」を連呼・・
2人ともぶ厚い軍手を使っていたが、暴れればブスブス突き刺さる。 ジャックの手は穴だらけ・・
風は意外と強くジャック一人では無理、野人が操船しながら時にはアンカーを打ちながら網を揚げ続けた。
網揚げ半ば、2人で・・
「これ以上かかるんじゃねえ黒鯛~」と叫び続けた。 くたびれ、悲壮感を漂わせ・・
予定の時刻に魚を運びに来たまむし頭は50m離れた岸で、さらに1時間待ちぼうけするほど黒鯛が獲れたが、多い時はこれの倍以上かかると言う。
漁は45センチ1kgを軽く超える黒鯛が百匹以上、大型は2キロを超えていた。
黒鯛だけで130㎏はあっただろう。
ジャック曰く、鮎やうなぎは激減したが、海から上がって来る黒鯛だけはどれだけ獲っても減らないから遠慮しなくて済むらしい。
他に、大型の鯉、ニゴイ、エイが網にかかったが、エイと鯉と黒鯛は同居するのだ。ヒラメやマゴチもかかるが、黒鯛と鯉とエイヒラメが仲良く泳ぐ姿・・想像出来るかな
ジャックのおかげで魚はギリギリで間に合った。
しかし、その大半は逃がしてあげた。
持ち帰った大型クロダイは30枚近く、6枚を刺身で使い残りはビレッジのBQや天ぷら用だ。
まむし頭は鯉料理が大好物、食うのを楽しみ~~にしていたのだがそれも逃がしてあげた。
この日は子供達のサービスデー、鯉のぼりは彼らのシンボルではないか。
活きが良過ぎると身は硬く、薄くそぎ造りにして氷水に晒す「黒鯛の洗い」にまむし頭が調理した。
子供達も大人も「うんめ~~~」を連発、これにて・・難件落着
5時からは畑作業だが 既に腰砕け・・
残り二十数枚の黒鯛をさばくまむし頭とアンナ
小学生の魚講習会
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ジャック御殿と竹取り物語
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ミスタージャック
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