やはり・・ 母のケツを・・・
やった たぶんやじんもやる・・
野人の猪アゴ標本を原人の息子のエンゾウにとられてしまった。
雑食性の猪の虫歯を調べる為に作ったもので、百キロを超える大猪の下あごだ。
百キロを超える大猪は滅多に獲れず、貴重品だが仕方ない。
骨格と虫歯状況の撮影の為にビレッジに持参、撮影を終えたらエンゾウのおもちゃになった。
5歳になったエンゾウは原人から引き継いだ頭脳の冴えを見せ始めた。
プランクトンの死骸はマリンスノーと言うのだが、母も知らないことを知っていて、野人に詳しく解説までする。
野人に何問も「なぞなぞ」を出したが、すべて外れた・・
そりゃあそうだ、答えを幾つか用意・・
絶対当らんように巧妙にあの手この手ですり抜け、違う~と言ってギャハハと笑う。
それにおやじギャグも抜群に冴えている。
このバカタレ、ペテン師・・とこき下ろしたが、見事手玉にとられてしまった。
5歳で野人と互角にわたりあうだけでもたいしたものだ。
この調子では将来、猪、野人だけでなく原人さえも手玉に取るだろう。
野人原人協生理論、お野人ギャグの後継者としてさらに磨きがかかるかもな。
エンゾウはこの猪のガイコツに夢中になり、片時も手放そうとしない。
妖しい笑いの魂胆を見抜いたが・・ やはりエンゾウは・・やった。
ガイコツ持って、母のケツを・・牙で突いたのだ。
突進せず、痛くないようにツンツンするところが優しい。
野人なら間違いなく突進する
野人はエンゾウの1歳の誕生日をたまたま大磯の原人宅で祝った。
エンゾウは母の膝で野人をじっと見続け、やがてテーブルの下を這って足の間に来て見上げていた。
抱き上げると、膝の上で野人の人差し指をいつまでも握り続けていた。
「1歳の誕生日、エンゾウの家に行ったぞ」
「うん 覚えてるよ」
「んなわけネエだろうが~ ホントか?」
「ちゃんと覚えてるもん」
「2歳でウニをたっぷり でっかいキューリも丸ごと食わせたぞ」
「うん みな覚えてる」
「む~さんより 記憶力いいな・・」
猪のガイコツ、取り上げようとしても離そうとしない。
そして礼儀正しく・・
「これ 頂戴・・ 僕に下さい」そう言って頭を下げた
「わかった やる」
つい・・言ってしまった
野人にとっては既に用済みだが、エンゾウにとっては超が付く宝物。
帰り際
「それはエンゾウのもんだから パパに取られんようにせ~よ」
ガイコツを大事そうに両手で抱き抱えたエンゾウは、橋を渡って前の旅館に帰って行った。
む~キューリ・・終日かじり続ける2歳のエンゾウ
http://ameblo.jp/muu8/entry-10992819675.html
科学物理界の現状と境界線6