根菜中心の新農園は一反全域に人参が繁殖、7月半ば人参のお花畑になっていたが、今は種の密林になっている。
下草代わりに蒔いた人参を放置するとお花畑になり、やがて種が飛び散り・・人参だらけになってしまった。
迷惑なようだが、勝手に増えるのだから笑いが止まらない。
全面下草なのだから人参専門のうねは特にない。
土中にはジャガイモの他、ワケギやアサツキ、特にラッキョウとシマラッキョウはどっさり埋まっている。
どれもこの時期は地上部が枯れ、全面躊躇なく
「どっりゃあ~」と丸刈リ~タ出来る。
人参も枯れた株の大半は刈ったが、まだ青味がかった株の群生地はこうして残している。
人参の一番旨い時期は糖度が高い1月2月だが、この時期、一般的な露地栽培では見かけない。
つまり、「天然人参の一番旨い時期」を大半の人は知らないと言うことだ。
肥料と水で育てるなら土壌に関係なく何処で作ろうが同じような味になる、それがスーパーに並ぶ人参やオーガニックの人参だ。
肥料を使えば数カ月で市販サイズになるが、協生農法では半年で指の太さ、つまり同じ夏に種を蒔いても指の太さになるのは1月2月、市販サイズになるのは不可能に近い。
葉は寒さに耐えてタンポポのようなロゼット状になって表土にへばり付く。
食べれば「人参の味の常識」は180度変るだろう。
人参臭さや肥料の雑味は一切なく、生食時の糖度は柿のように高い。
野人がそうだったように、人参嫌いの人、子供も無条件で食べられる。
医食同源と言うように、人が期待する健康効果に至っては、「むー茶」同様まるで比較にならない。
短期出荷のブロイラーと、その3倍以上自給自足させた完全放し飼いの地鶏の差と思って良い。
人参だけでなく、ジャガイモは皮まで美味しく食べられ、ラッキョウ、シマラッキョウ共に「周年生食」出来る。
葉が枯れた夏に掘り起こしたパンパンに成熟した種ラッキョウさえも、辛味は薄くその場で美味しく食べられる。
食べて比較すれば一目瞭然、嫌いな人が多い人参独特の臭みやエグ味、ラッキョウの辛味は「肥料がもたらす味」であり、大地の恵み、自然界の産物とはほど遠い。
花を咲かせ、種をつけるまで刈るのを控えれば最高の人参が勝手に増えて循環を繰り返す。
これが協生農法の醍醐味であり、これほど楽な事はない。
健気な・・ヒバ子