大地は必ず森になる | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

数億年をかけて藻類が海に酸素を供給、やがて大気を満たし陸地に進出、コケ類、シダ類を経て大地の仕組みを築き上げた。

風で種子を飛ばす裸子植物は動物の力を借りて被子植物へと進化した。

植物と動物が協生して創り上げた仕組みは完全で、大地の保水力、通気性、強度を基盤に浄化、循環の仕組みは成り立っている。

その仕組みがあってこそすべての動物は暮らしが営めるのだ。

必ず表土で朽ちる動植物などの有機物を微生物が元の元素に還元、雨と共に土中に沁みた余計な無機質は密生した植物の根が残らず吸い上げ「浄化」の役割を担う。

地下水に有機物は含まれず、雨で表土を流れる未分解の有機の大半は川の微生物が分解、浄化して海に戻す。

生命の大地とは完全に分解と誕生が循環出来る土壌の事だ。

荒れた土に草が密生することで仕組みが始まり、やがて木が繁り多くの生き物が集まり土壌と環境創りは加速される。

やがて森が形成され、草はその隙間を補う役割を担うようになる。

それは自然界を観察していればごく当たり前の道理だろう。

木は動植物の頂点に立ち、地球上で最も長く生きられる生命体の最高傑作とも言える。

その木の中にも仕組みにおける明らかな差があり、長寿の木にはそれなりの理由がある。

長寿の木は、藻類、コケ類、シダ類、草類、他の樹木だけでなく、すべての動物を配下に従え、自在に活用していると考えれば面白いのではないだろうか。

決して彼らを利用しているだけではなく保護し、見守っていることから、母なる海に対して父なる大地の象徴のようなものだ。

木の実はその遺伝子が凝縮された地上最大の生命エネルギー体には違いない。

環境さえ条件を満たせば大地は必ず森になる。

生命の故郷の海に懐かしさを感じ、動物を育ててくれた森にやすらぎを感じる理由が納得出来ただろうか。