手・・・
また・・やられて・・腫れ手。
「しまった!」と気付いたのが遅かった。
今度は足長バチだ。
足の二の舞は踏みたくない。
すかさず毒を吸い出し気にもしなかった。
しかし・・腫れ手しまった。
「あっれ~~ おっかしいなあ~~?」と思いながら放って置いた。
その夜は・・・まあまあ腫れたがたいしたことはない。
毒の吸い出し方が足りずに少し毒が回ったと思っていた。
その翌日の手は・・グローブのようになっていた。
これでは箸も握れないし・・うんこも・・拭けないではないか。
左手でやってはみたが、なかなかうまくいかない。
右手ははち切れそうに腫れて高熱を放ち、重たくて重くて・・痛い・・じゃん。
一日中氷で冷やしていたのだが納得がいかない。
これでは森羅万象の護身術の面目丸潰れではないか。
しかしその翌日はウソのようにコロリと治癒、1日で元の手に戻った。
腫れは引いたが、刺されたところは小さなシコリになっている。
そこでやっと気付いた、何で手首から肘にかけてまで腫れたのか。
原因は穴の数を間違えたからだ。
全部で3カ所も刺されていた、いや浅いのも入れると4ヶ所かな・・
指の横や手首の横までは見ていなかった。
親指の付け根一箇所だと思い、これでもかと言うくらい何度も毒を吸い出した野人がバカだった。
草刈り機でムー農園の草を刈っていてハチの巣に気付かなかった。
蜂は普段はおとなしく刺すことはないが、巣を守る為には人でも熊でも攻撃する。
そのような虫は他にはない、小さいのに何とも見上げたものだ。
今度は下半身は完全武装で長ズボンにブーツ。
しかし上半身は暑いからハダカで水をかけながらやっていた。
いきなり手を刺されたあと、十数匹のハチどもが顔やハダカめがけて攻撃して来た。
「バカタレ!やめんか~家主に向かって、家賃とるぞ!!」
子供の頃、ハチの子は野人の好物で、それを捕る為に何度か刺された。
その一喝が効いたのか、アシナガ達はひるみ、身体は刺さなかった。
その素直さに免じて、彼らの巣はそのままにしてあげている。
昨日もすぐ横でマジマジと巣を見たが、野人を気にせずせっせと励んでいた。
何とも器用に作るものだ、とても真似出来ない、あんた方はエライ・・・
仕方ない・・除去は簡単だがその周囲の草刈りは巣立ちまで待とう。
すぐ溶ける・・