アゲハのお蝶 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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レモン・・ 行かんかい
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葡萄も嫌か・・・
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お蝶を指先で突っついて移す
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夕方、野人がムー農園の草刈りをして座って休んでいると一匹のアゲハ蝶が飛んで来た。

しばらく回りを飛んでいたのだが、野人の膝に下りて来て手にとまり、そのまま動かない。

再度草を刈ろうと立ちあがったのだが、蝶は一向に飛び立つ気配もなく野人の手にぶらさがったままだ。

「おい・・はよ行かんかい」と言っても知らん振りしている。

野人の左手の親指がお気に入りのようで、しがみついて離れようとしないのだ。

レモンの葉やぶどうの葉に移そうとしても嫌がって行こうとしない。

仕方なくそのまま放っておいたのだが、どうにも退屈ではないか。

しかし神様のお使いを「ポイ」と放り出すわけにもいかない。

そこでしばらくこいつと遊ぶことにした。

名は、「蝶々夫人」や「アゲちゃん」は気に入らないようで「お蝶」にした。

お蝶はのみ込みが早く、すぐに芸を覚えた。

野人とは「阿吽の呼吸」だ。

お特訓の成果は皆さんに披露したが、ショータイムが終わってからも野人の親指に抱きついたままだ。

かれこれ1時間近くお蝶と遊んでいたので作業は進まず日も沈みかけて来た。

お蝶は御機嫌よく野人の手のひらや指先を這いまわっていたが、とくと言って聞かせた。

「あのね・・ムーさん忙しいの 一人で遊びなさい」

そして再度レモンの葉っぱに移そうとしたのだが移ろうとしないので、片方の指でツンツン突いて嫌がるお蝶を移動させたがすぐに飛び立って行った。

可哀そうだが仕方がない、野人はそれほどヒマではないのだ。

お蝶の過去は知らないが 、たぶんムー農園のイモムシだったのだろう。

またな・・お蝶



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