解体したあんこうで宴会が始まった。
右を見ても左を見てもひたすらアンコウしかない。
鍋の中も・・・アンコウだけ・・上から覗くと円月殺風景だ。
アンコウ以外では、マリンビレッジのレモンの木からもいできたレモン一個。
いただいた釣りアジの刺身も出したが、最後までカピカピで残っていた。
最初にダシにした中骨を出してかぶりついたが、骨についた身も美味しく、骨も柔らかくてかじれる。
難関は、解体で最後に残った「円月殺風景」の歯形についた唇の肉だ。
野人は上手にしゃぶったが、飢えていじましい客人は鋭い歯にかぶりつき、イテテテ・・
あごの骨も食えないことはなく、野人はガシガシ食って、後はタマの為に残しておいた。
肝が旨いのは当然だが、以外に美味しく食感が良いのは「エラ」だった。
魚のヒレは通常捨てるが、アンコウのヒレは皮が分厚いので「ズルリ」と食べられる。
胃袋は柔らかい特上のミノで、ほほ肉も絶品だ。
水炊きも刺身も同じ天然レモンとダシ醤油につけて食いまくった。
アンコウの刺身は甘く、これまで食べたアンコウでは最高の味だった。
鍋は冷凍の肉でも問題ないが、刺身は絞めたその日しか味わえない。
さらに残りの身を厚切りにして「しゃぶしゃぶ」にしたのだが、これが一番絶賛を浴びた。
最後に残ったアンコウだけの濃縮スープを雑炊にしたが、たまらん旨さですべてたいらげた。
それでもアンコウは余ったので刺身用の身をお持ち帰りいただいた。
アンコウは身よりも各部位の旨さが特徴で、多彩な味と食感が楽しめる。