銀杏が臭い本当の理由 2 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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銀杏が猿を撃退するヒントは、猿が木の上に垂れ流した「ウンチ」にあった。

銀杏はそれを分析研究したのだ。

ウンチはさすがに銀杏にとっても鼻をつまむくらい臭く、嫌でイヤで仕方なかった。

銀杏に鼻はないが、まあそう思う方が話は早い。

そして猿も嫌がり避けて通っているのに気づいた。

雑食性の猿のウンチは草食動物のウンチに比べると臭く、人間も似たようなものだ。

犬や猫などはウンチの臭いで相手を判別しようとするが、猿は知恵が働き、相手の顔色を窺うのが得意中の得意だ。

だから基本的には、人と同じようにウンチの臭いは好きではない。

銀杏はタラやサルトリイバラのように刺で撃退するのではなく、もっと簡単な「臭気」を選んだ。少々の刺では悪知恵の働く猿を撃退出来ないと悟ったからだ。

木の構造を変えず、臭気の元を生産すればよいのだ。

いわば省エネで、これが銀杏の優れた知恵だった。

銀杏は思考錯誤を繰り返し、やっと・・「ウンチ」の臭気を創り出した。これが真相だ。

リスも年々臭くなる銀杏に最初は困惑した。さてどうしたものか・・

3に続く