皮膚にくっついて落ちないイガ | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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俗に「くっつき虫」とよばれる植物の種は幾つかある。子供の頃に服や髪に投げつけて遊んだ「オナモミ」が代表的だが、遊べずに嫌がられるだけのくっつき虫にはアメリカセンダングサやイノコズチなどがある。植物は動物と共に繁栄してきた。種子を風で飛ばす裸子植物から鳥や動物に甘い実を食べさせて遠くまで種を運ばせる種子植物へと進化してきた。水に浮くための空洞の実を川辺で落として水に種子を運ばせる「フトモモ」、海を渡る種子を持つ「椰子」や海浜山菜の「ツルナ」など、どこから知恵を出してそのような仕組みに自らの体を変化させたのか、面白いと言うより賢いと言うしかない。生物は種の存続の為に生きている。植物だけでなく、鮭や鮎のように繁殖という最大のイベントを終えて生を終える生き物は多い。

このでかい「イガ」は、以前にも紹介したが「ゴボウ」の種だ。他のくっつき虫との違いは、毛や服だけでなく皮膚にくっつくと言うことだ。

くっつき虫のトゲの先は鈎型になっていて服や髪に引っ掛かって落ちない仕組みになっているが、手のひらにまでくっついて落ちないゴボウの種はさらに細かい鈎型なのだ。

太古の昔からくっつきまくって人を悩ませ、嫌がられてきたこのくっつき虫も「マジックテープ」の発明の元となり十分貢献している。人間は災いさえも転じて福と成して来た。たいしたものだ。野人も苦しいことは、より楽しく、つまらないことでも、より面白くすることを心がけて生きている。



ゴボウの種は最大最強のくっつき虫

http://ameblo.jp/muu8/entry-10167630425.html