過疎化の村が消える | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

最近同じようなテーマの特集番組が多い。

何年も前からわかっていたことだが深刻な問題になっている。

農業林業では暮らして行けず若者は都市へ集中した。

村を離れたくはない者もいただろうがやむを得ない決断だろう。

これを仕方ない事だと思っている人は多いだろうが、野人は明らかに間違った方向へと進んだ結果だと思っている。

それを進めた人間で責任を取ったものはいまだに一人もいない。

そもそも間違ったとは思っていないからどうにもならない。

今も、やむを得なかった、予測出来ない、仕方ないと思っていることだろう。

だから引き継いだ者もこのまま走るしか術もなく迷走している。

考え方を元から変えない限り村は蘇ることはない。

林業は政府の失政だが植林を放置するほど山崩れなどの被害は増える。

植林が悪いのではなく、不自然な植栽で陽のあたらない表土が死滅、失われつつあるからだ。

失策の最大の原因は「山を、森を、自然の仕組みを知らなかった」と言う単純な事で河川工事も同じだ。

川の仕組みを知らないからいつまで経っても川も海も綺麗にはならない。

農業に至っては機械化が進み、化学肥料、農薬の上に成り立っている。

「大量に、早く、立派に」を目指した結果だ。

食料を増やすということにおいては間違ってはいないが、問題はすべて同じやり方を推進した事で、この方法は林業と同じく「土を、植物を、自然の仕組みを知らなかった」と言うことになる。

森を相手にして森を知らない、植物を相手にして植物を知らない。

バカバカしい話だが知らなかったでは済まされない。

あれだけの税金を使い、一流大卒と呼ばれるプライドの高い官僚や学者達が大勢よってたかって、しかも何十年にわたりトンチンカンなことをやってきたのだ。

何千年も続いた農業漁業や林業、畜産さえも短期間で壊滅寸前に追い込んだことになる。

何年間も県の講師として農村、漁村などを回ったが、土、草、海、魚などの仕組み、本質を知る人に一人も出合ったことがない。

教科書は政府や学者の勧めと一般常識で、それを忠実に実行している。

それをそのまま実施してきたほうにも多少の責任はあるだろうが、市場、流通の流れには逆らえない。

人の科学が悪いのではなく進めた方向が悪い。

材木が有り余っているのに輸入に頼る。

天候も雨量も世界一恵まれているのに農業が成り立たず荒廃が進む。

人災以外にないだろう。

これでは世界に恥を晒しているようなものだ。

膨大な無駄遣いのせいで国家も膨大な赤字。

危機的状況を復元するのは消費者と生産者の声しかない。

森羅万象の仕組みを理解することがその一歩だと思っている。

野人は評論家ではなく実践者、何処が間違っているか、どう修正すれば良いのかはっきりと指摘してそれを証明する。