鈴なり冬イチゴのへた | 野人エッセイす

野人エッセイす

森羅万象から見つめた食の本質とは

野人エッセイす


野人エッセイす


野人エッセイす

山道の傍に「フユイチゴ」のへたがあった。鳥達に先を越されちょっと遅かったようだ、フユイチゴは唯一冬に熟す野いちごで甘くて美味しい。日当りの良い林の縁や落葉樹の根元に地を這うように群生している。条件の良い場所では一本のつるにルビー色のフユイチゴが100個くらい付いていることもある。非常に効率の良いイチゴがりなのだ。11月頃から熟し始め12月から1月がピークで2月頃まで残っている。5月のモミジイチゴ、カジイチゴ、ニガイチゴ、6月のクサイチゴ、バライチゴ、7月のナワシロイチゴなど、食べられる木イチゴは10種以上はある。春から初夏がベリーの季節なのだが、このフユイチゴだけが真冬に長期間頑張っている。見上げたもので本当にエライ。ヨーグルトに乗せたり、クリスマスケーキなど洋菓子のトッピングにも最適だ。食べ物の少ない冬山で鳥や動物達の貴重な食料にもなっている。小粒なのだが数が半端ではない。大きくて丸い葉に隠れているから知らない人のほうが多い。まして冬に山でイチゴがとれるなんて極めて非常識な話なのだろう。フユイチゴは毎年食べているが、やはり場所によって味が異なる。甘くて旨くて大粒で鈴なりの場所は決まっているから、一度見つけたら毎年いい思いが出来る。行けば必ずたくさん収穫出来るからだ。2mもあるツルに真っ赤な実が200個もぶら下がっていればそりゃあもう、重くて笑いが止まらない。何しろタダで最高の健康デザートなのだ。野人のエサとしては絵になり、イチゴの房で首飾りも出来る。酋長・・ウソつかない。