夕食はウマヅラハギの「肝醤油」 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

ウマヅラハギ

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肝醤油
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昨年 客が釣ったカワハギ
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秋から冬にかけてカワハギの肝が肥大、カワハギマニアにはたまらない季節だ。冬の寒さも何のその、根強い釣りフアンは多い。アンコウ鍋も旨いがカワハギの肝入鍋はとろけるような美味しさだ。たくさんあればカワハギと肝と豆腐とネギだけで十分醍醐味が味わえる。カワハギのもう一つの魅力はフグに似た歯ごたえの「薄造り」だが、これを肝醤油で食べたらもう止められない。昔は本カワハギだけが重宝されウマヅラハギはバカにされて捨てられていた。確かに刺身は白いウマヅラハギの身よりも、ややあめ色のカワハギのほうが旨い。しかしウマヅラのほうが肝がバカデカくなり、大量に獲れて活かしやすいのだ。そして20年くらいまえに価格が逆転した。野人はウマヅラハギがまだ捨てられていた時代、当時、月曜ロードショーの映画評論家だった「荻昌弘」さんに活きたウマヅラの肝を食べさせたことがある。荻さんは料理評論家でもあり食通だったが、一口食べて唸り「う~む・・これはフォアグラに匹敵する」と大感激したのだ。

今回はそのウマヅラハギを薄造りにして肝醤油で食べた。肝はすり鉢で滑らかにして、少量の醤油とレモンを加えた。何度食ってもこりゃたまらん旨さだ。生臭味の苦手な人は肝を軽く茹でて溶くと美味しく食べられる。コクはそれほど変わらない。頭と骨は当然吸い物にしたがこれも美味しい。小骨がまったくないので、中骨についた身も取れやすく大きな頭部にはしっかりと身が残っている。