宮川河口の美しい風景 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

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野人は宮川河口のこの風景がたまらなく好きだ。しばし足を止めていつも見入っている。葦が繁り、水は青く澄んでいる。正面には対岸、右には河口の無人島が見える。その向こうは伊勢湾だ。何度かこの河口に潜ってみたが生き物が豊富な汽水域だ。潮が満ちると数キロ上流まで海水が上る。鯉や鮎や手長海老やスズキ、黒鯛などが共生する川なのだ。護岸の整備と共に少なくなったノコギリガザミもここには多い。うなぎは仕掛けを入れれば必ずかかる。無人島の向こうの砂州にはアサリだけでなくハマグリも多い。宮川は日本一の清流にも撰ばれた事がある。以前に比べると河口にドロは溜まっているようだが、それでも川の浄化作用は失われてはいない。豊富な生き物がそれを証明している。川は生きているのだ。ここは海と大地が交差する生命域、生き物が集まる癒しの水域だ。