修学旅行の小学生 飛び魚の干物作り体験 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは




大阪から修学旅行で6年生の一行47人がバスでやってきた。先生は校長先生を入れて5人だ。9時半から二班に分かれて、干物作り体験と桟橋のハゼ釣り、11時に交代して、昼食はビーフカレーだが、釣れたハゼも天ぷらにした。マリーナの桟橋はハゼが多く今がシーズン、全部で100匹くらいは釣れた。初めての体験にしては上出来だ。干物作りは小ぶりな飛び魚を用意した。全員がエプロン持参で3匹づつさばいて塩水に浸けた。小さなプレート3枚に名前を書いて輪ゴムで尾びれに固定する。干す時間は昼食が終わるまでの2時間だったが、乾燥が足りなければ帰って冷蔵庫でも出来る。干物作りに決まりはない。塩を当てて干すだけだ。直接塩を当てても良いが慣れないと加減が難しい。ここのやり方は8%の塩水に20分浸けて3時間くらい干すのが標準だ。魚の大きさや脂ののり、気温、湿度など状況によって加減する。海水濃度を変えても良いし、浸ける時間、干す時間も決まりはない。つまり干物は誰にでも簡単に出来る。15%の濃い塩水に5分浸けて8時間干しても構わないのだ。天日、陰干し、いくらでも好みで作れる。海水を4分の一くらいに煮詰めれば10%になるが、これを使った干物が一番旨いだろう。何度も繰り返し使えばそれこそ「くさや」の干物だって出来る。健康と味にこだわるなら、海水のミネラルと太陽に当てたバランスの良い本来の干物を自分で作ったほうが良い。輸入冷凍魚と塩化ナトリウムと機械乾燥の干物は味気ない。スーパーの安いものはそんな干物が多いのだ。開店と同時に行けば、朝揚がったばかりの新鮮なアジやサバは手に入る。海水はきれいな海で汲んでくればタダだ。干物は鮮魚と違って冷凍保存が出来るから作り溜めしておけば朝食が豊かになる。