農具から生まれた武具 トンファー | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

大学の時から使っていた沖縄で生まれた武具トンファーだ。起源には諸説があるが、有力説は石臼の挽き棒から発案されたと言う。つまり農機具から生まれた武器だ。握り手から肘までをカバーするように構え、空手と同じく、受けと攻撃を繰り出す。手首を返すと遠心力で半回転して攻撃、武器を取り上げられた沖縄の民が刀と戦う為に作られた攻防一体型の武器だ。棒や双節棍(ヌンチャク)と違って、あまりお目にかからない武器だが、野人は棒とこのトンファーが好きで得意としていた。あらゆる武具の中でこのトンファーが一番合理的ではないかと思っている。コンパクトで攻防に物理学の技術が詰っている。日本刀を相手にするなら迷わずこのトンファーを手にする。トンファーの素晴らしさを理解しているのは日本人よりも外国人だろう。アメリカやヨーロッパでは角柱を円柱に変えて警棒として採用している。名称はトンファーバトンと言い、逃げる相手にブーメランのように投げ、脚に絡ませて転ばせて取り押さえる技法も発達したようだ。沖縄から生まれた武具が世界の治安に役立っている。考案した人の知恵に敬意を表したい。