イチゴとニンニクとレンゲの共生 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

イチゴのうねは、幅が1m、高さ30cm、長さが10mある。このうねは場合によってはネットをかけることもあるので、他のうねのように低木果樹は植えていない。他のうねは3mに一本の間隔で木やヤマウドを配置してある。ランナーが伸びると適当な位置に配置、ほぼイチゴで埋まりつつある。苗を植えることはない。ニンニクとレンゲを混生している。田ではなく畑にレンゲを蒔く人はいないだろうが、レンゲはマメ科の特性で土中に窒素分を蓄え、小さいからイチゴの邪魔にもならない。ニンニクはアブラムシの増殖を抑え、草と共生と言う事もあり虫はまったくつかない。この他、虫が食わないニラも混生させている。イチゴの収量はハウスなどのイチゴ農家にはとても及ばないが、毎年の経費も手間も一切かからないから楽で、放っておいても増えていく。人が何処で手を出すかそれだけだ。夏にはイチゴの高さで草を散髪するだけなのだが、昨年は不精して10月まで放置した。60cmくらいの一年草に埋もれ、イチゴの影も形も見えなかったが、地上20cmで草を刈ると、小さいながらも全て生きていた。つまり、管理は秋に一度「草をはねた」だけで済んだことになる。多年草は夏前に少し抜いていたから、冬には一年草の根はすべて枯れて空洞を作り、手がズボリと入るくらい土が柔らかく肥えていた。ずっとこのまま土をいじらなくて良いのだ。今年はまだ一度も草をいじってはいないが何の問題もない。イチゴが実っても適度に同じ高さの草があるほうが虫や鳥にやられない。邪魔な草だけたまに手を入れればよい。

ニンニクのうねは他にあり「連作、無肥料」で問題なく育つ。イチゴうねのニンニクはイチゴの為のものだ(笑)。適度な木陰と虫除けだが、たまに食べて小さなものを元の場所に戻している。ニンニクも他の野菜も、自分が育つ土壌環境は時間をかけても自分で作るように出来ている。それが自然界の道理であり「循環」なのだ。土壌作りは野菜にやらせるのが一番良い。