大学の同級生に自分よりはるかに不精な男がいた
稀に見る男前で元番長 ボクサーで陸上の県記録も保持
いつも女性から手紙が来てモテた 自分と同じだ・・・
いつも母親が縫ってくれた「越中フンドシ」一丁で
突き当たりの風呂場まで廊下を歩いて行く
たまに狭い廊下でフンドシのままバック宙もやっていた変人
その親友に対抗してこちらはサラシの腹巻に
キリリと「六尺フンドシ」を巻いていた 一年の時・・
どちらが快適かで激論になり 廊下で勝負・・・
始まるとヒマなギャラリーが集まって声援を送った
越中VS六尺・・ふんどし義兄弟と呼ばれた
その越中は 弁護士を目指したが 頭が悪くて挫折
そして 今は中学の教頭をやっている・・・
ふんどしと同じ 頭も 風通しが良すぎたせいだ
四年の時 学内の水泳大会に参加したが
海水パンツがなかったので六尺フンドシのままコースに立った
近辺の女子大生から悲鳴とも思える黄色い歓声があがった
「ウッソ~!」「いや~だあ~」「スッテキ~!」・・
もちろん優勝した 50m自由形 28秒で ふんどしのワリには・・速かった
彼女と二人で観戦に来ていた越中男がレース後にほざいた
「馬鹿だね~!恥ずかしくもなく六尺なんかで・・」
「越中のほうが 水の抵抗がないから楽なのに・・」
フンドシ紛争は 卒業まで続いていた・・・