家庭で簡単に作れるミネラル塩 | 野人エッセイす

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森羅万象から見つめた食の本質とは

浜で塩を作っていた時代はすべて粗塩、昭和に入り純度の高い精製塩を目指した。つまり塩化ナトリウムだ。最近は健康と味覚が重視されるようになり、また海のミネラルを含んだ粗塩の時代に戻りつつある。島国日本は少し車で走れば綺麗な海水はいくらでも手に入る。行楽ついでにポリタンク一杯の海水を持ち帰り何故塩を作らないのだろうか。それだけで500gの粗塩が出来、しかも高価なにがりも手に入る。タダと言うのが何よりも素晴らしい。海水を自由に手に入れるのは地球人の立派な権利だと思うのだが・・高い塩はそれだけで数千円はするだろう。光熱費をかけて塩にしても経費はそんなにはかからない。幅の広い容器にゴミが入らないようにして置いておけば自然に蒸発、鍋に入るくらいに濃縮されたら火にかければ効率的だ。不精するなら一月も放っておけば粗塩は出来る。容器に棒をいくつか渡し、ヒモをたくさん垂らし蒸発を促進させればもっと早い。ニガリを取るなら最後まで乾燥させず布や紙で濾せば良い。塩には本来のにがりが含まれていたほうが体には良い。ただ吸い物にすると苦味が出るからサラダや天ぷら塩焼きに使うと良い。出来た粗塩を一つまみ水に溶かしてペットボトルに入れたら本当のミネラルウォータになる。半分量はにがりを抜いて色んな料理に遣えば良い。にがりはにがりでまた使える。海水の平均塩分濃度は2,5%、つまり1リットルに25g含まれている。それ以上塩が溶け込めなくなる飽和状態は30%、つまり250gだ。海水の10倍の濃度になる。温度にもよるが、10リットルの海水が1リットル未満まで蒸発すると塩の結晶が出来始める。10リットルからは250グラムの粗塩がとれることになる。5倍くらいに濃縮して保存しておけばいつでも煮詰めて塩が出来る。開いた魚を数十分漬け込んで干せば干物も作れる。煮詰まると塩の結晶が発生、しゃもじでひたすら混ぜ合わせる時間は大人にとっても熱中して楽しく、塩作りは誰にでも簡単に出来る自給自足の第一歩だ。