ゾクッとする話① | まったり日和

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自分の健忘録として綴ってます。

まったりしたいけどまったりしてない日常を少しでも振り返った時にくすっと笑えたら└(゚∀゚ )┘

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これは、「お化けを見たことある?」と問われて思い出した、実際に私が体験した話です。

気のせいかもしれないけど気になる出来事の連続で忘れられない…そんな話です。



ねえ



聞こえた…
どこからともなく…


今から20年ほど前ー

私は当時日本では珍しい、全室個室の特別養護老人ホームで働いていました。
3階建ての2階と3階が入居階で、約10名のユニットがワンフロアに4つあり、4人のスタッフが各ユニットに1人ずつで介護にあたっていました。

2階の中庭に面した部屋に子林さんというお婆さんが入居していました。ニコニコと笑顔の可愛らしい方で車椅子に乗り、誰かを呼ぶ時には「ねえ」と声をかけるのが定番でした。

「私はね、病気でこの指が2本動かなくなってしまってね…いつも8までしか数えられないの。」

部屋でお菓子の小袋を開けながらそう笑って話してくれました。
彼女の左手の薬指と小指は曲がったままでした。

入居してしばらくしたある日、子林さんの様子がおかしい事に気付きました。
真っ暗な部屋で、なにやら文句を言いながらハサミで自分の下着を細かく切っていたのです。

翌日、念のため提携病院に受診しました。
そして、検査の為入院に。

そのまま約1ヶ月が過ぎたある日、私は遅番勤務の片付け業務を行うために汚物室(使用済みオムツの処理や汚染衣類を下洗いしたりする部屋)で作業をしていました。

すると

『ねえ』

?!

子林さん?

誰もいないはずなのに…

気のせいよね?

汚物室を出たところで他のユニットのスタッフが駆け寄ってきて…

「聞いた?子林さん病院でさっき亡くなったって。」

!!

あれは、子林さんの声だったのだろうか…
最後に言いたい事があってキタのだろうか…

息がつまるような違和感を感じながらその日は勤務を終えたのでした。

つづく