組ブログで、組長から甲冑フォトのお知らせがあった。
例年、大殿が告知してたような気がするんだけどな。
米沢で、大殿に最後のご挨拶したかったけど。
(それに何より、あの御方来るから…ごにょごにょ)
でも、大殿の最後の出陣は行けないかも。
この土日かとも思っていたけれど。
留守殿の卒業日程も発表されないまま。
お忙しいんだろうなぁ…
それに寒いし大雪だしね。
いっそ、卒業延期か撤回しちゃえばいいのに。
私はもう今月出かけられませぬ。
そもそも、春までおっかけはお預けと思ってたんですけどね。
年明け早々に会えたから、欲が出ちゃってたんだ。
そんな、お年玉みたいだった110番の日の思い出。
前回までのあらすじ。
白石のパンフレットは、お勉強になることがいっぱい。
説明も一段落して、何となく独り言みたいな感じになってくる。
「というのがあって、このまちとこの真田幸村というのが縁が深いということがおわかりになりましたかな?」
相変わらず反応は薄いけれど。
「なので、十月にある鬼こじゅうろうまつり、これにおいても真田と片倉の合戦の模様を再現した絵巻などをやっております」
身振り手振りで説明。
「そして阿梅を引き渡すシーンなどもきちんと再現しておりまして、割りと歴史にそった内容になっております」
小学生たちは、まつりに来たりしないのかしら?
「皆さんもっともっと地元を知ってもらって、もっともっとまちを盛り上げていってもらいたいなぁと思う所存であります」
そうだよね、まずは地元に関心を持たなきゃね。
おっしゃりたいこと、よーくわかります。
私、感銘を受けておりますよ。
でも、もうほんとに話も尽きたみたい。
「何か質問等ある方。大きいお友達含めてでいいですけど」
ううっ・・・こういう時手を挙げられない私。
ここの小学生たちと一緒だよ・・・
「何かこう聞いてみたい、ここぞとばかりに聞いてみたいこと何かあれば、今受け付けておりますが何かございますか」
すると、大きいお友達・・・じゃなくて地元の大人の男性が手を挙げた。
「武将隊さんにはいつお会いできるんですか?白石城に行けば」
「はい、これがなかなか・・・我ら武将隊は今ちょっと立て込んでおりまして、個人的に・・・」
ああ、この時もう大殿の卒業は決まってたんだよね・・・
「出陣スケジュールなかなかちょっと整わないんですが、ブログなどに掲載しておりますので、その辺はちょっと確認していただけると」
留守殿の日程まだですか?とか聞いちゃダメかしら・・・
「市長のほうから、春まつりと鬼小十郎まつりと農業祭、この三つだけは至上命令でよろしくってことで肩を抱かれて頼むぞって(市長様の物まね?)言われてるので、その辺は安心して・・・確かに今のところ、申しわけありませんがよろしいでしょうか」
「もっと出てほしいですね、土日祭日ぐらいは」
「そうですね、市長宛にメールしていただくと何か変わるかもしれませんので。その辺はもう熱く熱く要望してください。あ、もしくはあの辺・・・」
組長と虎太郎殿のほうを見てるけれど、苦笑い。
「ほかに何か、我々の活動のことやらご不明な点あらば。何でも答えますよ。答えられる範囲でしたら。どうでしょうか」
そのとき、小学生のお友達が手を挙げたらしく、張り切ってその子に向かう。
「虎太郎、マイクちょっと」
マイクを持って駆けつける虎太郎殿。
「ほらイベントらしくなってきたでしょう」
「戦国時代であった好きな食べ物とかはあるんですか?」
えっ戦国時代限定なの?
現代のほうを聞きたいような気もするんだけど・・・
「好きな食べ物・・・難しいなぁ・・・戦国時代かぁ・・・」
戦国時代だと、鮭とか酒とかでございますか?
「虎太郎、戦国時代で好きな食べ物、お前なんだ?」
丸投げしたーっ!
「食べ物について私に語らせるんですか・・・虎太郎の好きな食べ物・・・戦国時代で?!」
「知ってるかみんな、戦国時代にこんな白いご飯なんかろくに食えないんだぞ」
話をそらすんですか?!
「特に合戦中なんて、おにぎりなんてそんなものなかったんだぜ。ほんとにちょっとした玄米みたいなのをこんなポリポリポリポリほんとに」
「食べてましたね、あの時は・・・あの時のたくあんの味は忘れられません」
信長のシェフを思い出してしまった。
「知ってるか、こういう帯があるだろ。こういう帯に味噌をしみこませてそれを戻して味噌汁にしたり、今ほど便利じゃないんだぞ」
「ちょっとしたインスタント味噌汁ですね」
「だから、今のこの時代は割りと好きなものを食べれるが、昔の食事というのは生きるための食事なんだな。今は楽しむための食事であり昔は生きる術だ、食事というのは。食べられれば何でもおいしくいただくという精神だ。こんなのでよろしいですか」
お見事でございますー!
最初は、話ごまかしたのかと思ってたけど、ちゃんと立派なお答えになってるではありませぬか。
す、すばらしい!さすが戦国武将でございます。
「幸村さま、食べ物といえば白石には1つすごい有名な食べ物ありますよね」
「白石の名物なーんだ?」
虎太郎殿が前列の子に無理やりマイクを向ける。
「そう、うーめんです」
「白石のうーめん、うーめんはみんな知ってるよな、さすがに。地元のあれだからな。知ってる人・・・」
静かに手を挙げる小学生たち。
「ほぼ全員かな。挙げてない人間もシャイなだけで知ってるってことにしておくぞ」
おお、子供たちの動向がわかってきた御様子。
大人しいというか、場をわきまえてるのかも。
変に騒いで絡む子供よりはずっといいよ。
「この白石うーめんと地元企業がコラボレーションしましてな、かたくらぐみうーめんというとてつもない商品を発売して、一食1,000円――高いと思うだろ。ところが、先行販売分の二千個が完売」
驚きの拍手。
「ありがとうございます」
私も拍手したんで、カメラぶれぶれ。
「今度また、何とおまけとして購入した方々にクリアファイルつけますよ、かたくらぐみのちょっとかっこいいクリアファイル・・・ちょっと今日持ってきてないから残念だけどな」
私のを貸して差し上げればよかっただろうか?
「そのクリアファイルをつけますぞということで、何と社長新たに三千個作ってしまったという」
はい、我が家に箱がいっぱいありまする。
「まぁこのうーめんのことについてはこの虎太郎が詳しいのでちょっと説明してもらおうか。頼むぞ虎太郎」
「お任せください幸村さま。白石うーめん、実は普通の麺とは少し違うんです」
スタッフと思われる方が、組長に何か耳打ちしてる。
「麺というのは、つくるときに油を使って伸ばすんですけど、白石うーめんは一切この油を使っていません」
そろそろ終了時間なんだろうか。
「油使っていないから胃に優しい麺として昔から食べられています」
水差しの水をお飲みになってるあの御方のところにもスタッフがやってきて、何やら話してる。
「うーめんの由来としては、まぁ温かい麺と書いておんめんと言いますけど、白石ではおいしいということをああうめぇうめぇって言うんです。で、うめぇ麺がなまってうーめんになったと言われています。ほかにも説がいろいろあるんですけど。いろんなうーめん会社もありまして、どこももちろんおいしいです」
はい、私も大好きですー。
さすが虎太郎殿、地元の食べ物に詳しくていらっしゃる。
「うーめん好きだよっていう人」
挙手を求めると、小学生たちも静かに手を挙げる。
「おー!ああそうなんだ・・・ちょっと聞いていいか?結構うーめんて家で食べるの?」
うなずく人々。
「ああそうなのかそうなのか。関東で活動してる我にとっては結構嗜好品だぞ。うーめんなかなか手に入らぬので、地元の方も同じかと思ったら結構食べてるんだな」
うちの地元のスーパーにも置いてありますぜ。
「ほぉ・・・その辺のヨークべニ○で売ってたりするの?」
固有名詞を出しちゃってよろしいのですか?!
まぁ、ここに来る前に変身するのに使わせてもらっちゃったから、大いに宣伝したいところですけどね、私は。
「それはもちろん!ぜひ帰りに買って・・・」
「営業活動しちゃいましたな、こいつ」
それなのに、この日うーめん買って帰るの忘れてた私・・・
「そういうまちのそういうものもあるし、背後にこのかたくらぐみもついてるから、もっともっと自信持って伝統っていうのを守ってもらいたいなと」
やはり、伝統は大切にしなくてはいけないという気持ちが大事でございますね。
「こけしコンクールやってるな、みんなこけし作ってるだろ、多分。毎年学校で作らされ・・・いやいや作っているよな。ああいうのは、伝統っていうのはな、伝えていくものであり途絶えてはならぬものなのだ。そういう文化というのをぜひ子供たちに守っていってもらいたいと思います」
うん、話し方はちょっと不安になったりするけど、すごくいいことばかり語っておられるのよね。
「そうですね、では白石うーめんの説明はこの辺で」
「ではそろそろ締めたいと思うんじゃな」
「では、締めは最後、殿」
ここで、やっと組長の出番。
「小十郎殿に締めていただこう」
立ち上がり、しゅっとマイクを持って。
「大体武将の締めというのは勝鬨でございます。では、勝鬨をさせていただきたいと思います。私がえいえいと申し上げますので、おーと答えてください」
淀みなく語りかける。
「いいですか、えいえいと、行くぞ行くぞと言ったら皆様がおーと、これを三度繰り返します。いいですか、えいえいと言ったらおーと言ってくださいね」
組長って、先生役も似合うかもー。
「行きますよ」
と、ここで組長の口調が変わる。
いきなり、道場の雰囲気もびしっと引き締まる。
「鬨の声を上げる――えいえいおー!えいえいおー!!えいえいおーっ!!!――ありがとうございました」
皆が一体になって声を上げる。
割れんばかりの拍手とともに、講演会は締められたのでした。
やっぱり、組長ってすごいです。
いやいや、幸村先生も素晴らしかったですよ。
フランクなおしゃべりの中に大事なことが盛り込まれていて、勉強になりました。
「市役所にありますからね、時間のある方は足を運んでみてください」
しっかり最後までパンフレットをプッシュしておりましたな。
虎太郎先生も、うーめんに対する愛が感じられました。
とにかく、お疲れさまでございました。
この後、御三方は小学生たちと記念写真を撮っていた。
これで、小学生の心にはしっかり組のことが刻み込まれたことだろう。
ぜひ地元の伝統を守ってほしいし、いろいろ勉強してほしい。
幸村先生の貴重な講演が聞けて、私もすごく嬉しゅうございます。
ええ、そりゃもう道場の畳の上を転げ回りたいほどでしたとも。
これでまた心の支えができました。
頑張って、白石のことをもっと学びたいです。
課外授業の後って、必ず感想文書かされるよね・・・
ぜひ、この小学校に行って、この日の感想文を読みたいと思うのであった。
つづく
