いよいよ、メーンイベント道明寺合戦レポ。
前回までのあらすじ。
戦う前にあの御方に会えたので、もう、いつ討死してもいいです…
そもそも、私と背旗は相性が悪い。
今まで、いろんな祭りで背旗をつけるたび、何かしらトラブルが起きた。
ぶつかったり、引っかかったり、風に飛ばされそうになったり…
去年のまつりに至っては、戦ってる最中にぷらぷらになり、邪魔だわカッコ悪いわ危ないわ。
しかし、今年の背旗は私と昌幸パパんの愛のメモリー!
(昌幸公、泉下で首振るのやめてください)
必ずやこの旗のもとに名を上げてみせんっ!!
隊のみんなと円陣を組み、気合いを入れる。
さあ、いよいよ入場。
気を引き締めて、列に並び歩き出す。
と、隊のみんなにあわてて呼び止められた。
背旗、落ちてた…(い、いつの間に?!)
愛のメモリーでも、やはり背旗は背旗でございます。
ポチ殿を伴い、はちべいとやらがお客さんに話しかける形で、諸注意を述べている。
ここからじゃ、ポチ殿のキュートな勇姿を見ることはかなわないけれど。
ああ、今頃M来さんが必死に写真撮ってるだろうなぁ。
(ていうか、撮っててください!)
ポチ殿たちが去ると、いよいよ入場。
兜は目深に、きっちり前向いて進もう。
夜来の雨で、芝生はしっとり濡れている。
滑って転んだりせぬよう、足に力が入る。
9千人の観衆の前をぐるりと回って陣につく。
恋する乙女だけど、この時ばかりは足をガバッと外股に、しっかと大地を踏みしめて立つ
「申し上げます!敵将、後藤又兵衛殿討ち取ってござる」
「何、後藤か。よし、あとは有象無象ぞ、蹴散らせ」
「おーっ!」
この会話を聞くと切なくなる。
だって私、又兵衛おじさん好きなんだもん。
真田軍が道に迷って遅刻したりしなければ、むざと討たれることもなかったかもしれない・・・
それに、有象無象じゃないもん。大阪方にはまだまだイケメン揃ってるもん!
「申し上げます!敵将、片倉小十郎重長殿、片山に布陣」
「敵は伊達の先陣、片倉小十郎重長殿か。皆の者心してかかれい!!」
「おーっ!!!!!!!!!!!!!」
意気上がる真田軍。
しかし、私はたまに心の中でツッコミたくなる。
今まで道に迷ってたくせに・・・
いやいや、そんなことはこの場ではどうでもいいことなんですよー。
御大将、いい声してるよね。今日は、練習の時より落ち着いてるみたいで、安心。
いよいよ合戦の火ぶたがきられる。
片倉鉄砲隊の登場。
組長・・・もといここでは隊長の指揮で、次々と火縄銃が炸裂する。
この鉄砲、当然のことながら人のいないところに撃ってるわけだが。
実際には、我々真田軍をめがけて撃たれてることになっている。
だから、真田軍は、鉄砲隊に見惚れてちゃいけない。
いかに組長がいても、うっとりしてちゃいけない。
身構え、臨戦態勢で睨みつけなくてはならぬのだ。
(小芝居として、弾を避けるような仕草もありだ)
私も、刀に手をかけ、足を踏ん張って組長を睨んだ。
避けずに、弾を斬る仕草ぐらいしてやろうかと思ってた。
しかし、「放てーっ」と組長の号令で轟音が炸裂した時。
素でビクぅっ!としてしまった。
うぇーん、怖かったよぉ。
あんな大きい音がすぐ近くで鳴るんだもん。
しかも、繰り返し。
戦場では、これがまさに自分たちをねらってくるわけだよなぁ。
まともな神経じゃいられないと思うよ。
これは、この身を盾にしてでも我が御大将をお守りせねばと、改めて思ってしまった。
「なるほど勇ましい。あれが、片倉殿の二代目か。皆の者、真田の心意気を見せようぞ」
「おーっ!!!!!!!!!!!!!」
御大将の下知により、隊ごとに中央へと走る。
「真田軍抜刀!」
おお、今回はなんかすらりと抜けたぜ。
「かかれーっ!!」
全軍、一斉に走り出す。
目指す対戦相手のもとに、刀を振りかざす。
そう、みんな刀を上に構えてるよね。
私も、練習の時はそうしてたんだけど。
この期に及んで、刀を下に構えて走り出した。
だーって、るろ剣でそんな構えしてたじゃなーい!
あれ、やってみたくなったんだもん。
(そんな、いきなりぶっつけ本番で・・・)
ほんとは、剣心みたいに走り回って撹乱したかったんだけど。
この乱戦の中じゃ、そんなことやってる余裕ありまへんがな。
(しかも、相手に相談もなしに・・・)
最初こそ、人と違ったことやってみたが。
あとは、いつもどおりの殺陣を繰り返すしかない。
戦いが始まると、小芝居してる余裕なんてなくなる。
途中、相手の方の背旗が横倒しになった。
ああ、去年の私のぷらぷらもこんな状態だったんだなぁ。
どうするんだろうと心配になって、刀を構えながらも思わず見守ってしまった。
ちゃんと、片手で抜いて投げ捨ててました。
あ、かっこいい。こうすればよかったのね。
「引け引けー!敵ながら小十郎殿あっぱれ。良い暴れようじゃ!皆の者体制を整えよ」
御大将の言葉にほっとしつつ。
疲れたそぶりなど見せぬよう、刀を構えたまま陣へと戻る。
(ほんとは、息が上がってぜーぜーなのだ・・・)
戦場には、多くの背旗が散っている。
忍び(?)が、次の合戦の邪魔にならぬようそれらを回収してまわる。
あ、あれ・・・回収されてる中に、赤いハチマキが見えた。
あれ、私の背旗?
(そんなのつけてるの私だけのはずだし)
えっ?!いつの間にとれた?ていうか、私背旗つけてなかったの!?
(全然気づいてなかったという)
背旗はやはり背旗。
昌幸パパんとの愛のメモリーは、いずこかへと回収されてしまったのでした。
つづく