もしカタ | エメラルド

エメラルド

好きなことや日々の雑感を書き綴ってます

最初に言っておく!

ごめんなさい・・・

レポの途中だったけど、急に書きたくなっちゃって。

先日、ミステリーだのハードボイルドだのブログにあったから思いついちゃって。

それで、つい書いてしまった。


勝手に名前使ってごめんなさいっ!!!!

もちろん、完全フィクション。

私の妄想でございます。

こういうの嫌いな方、腹立つ方、不快に思われる方は絶対に読まないでね。

笑って許してあげるという方だけお読みくださいませ。




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カタクラグミ殺人事件じゃあんまり物騒なので。

「もしもカタクラグミが探偵だったら」




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現場は完全なる密室。
鍵を無理にこじ開けた様子もない。
だが、この惨状はどうだ。
朝の光が射し込む一室。そこに、もはや温もりを失った体で転がっている。

床や壁に飛び散った赤い飛沫が、悲惨さを際立たせる。
修羅場には慣れているつもりだ。
それでも、部屋にこもるこの独特の臭いに、思わず顔をしかめる。


こんな非道を許すわけにはいかない。
熱くなりすぎるな。
民が笑って暮らせるよう、必ず犯人を捕まえる。


「留守殿、何ぶつぶつ言っとるナリか」
面頬の奥から、也の宗実殿が問いかけてくる。
「この事件をハードボイルドに考察しておるのぢゃ」
「わしはまた、冬眠前の熊が柚子湯につかってのぼせとるのかと思ったわ。のう、むねざーろう」
「そうですね、宗実様・・・クスクス・・・」
朝っぱらから子犬と会話しとるような男に言われとうないわ。


「そうぢゃ、犯人の手がかりを・・・」
「留守殿、まずはこの忌々しい赤い染みを何とかせぬか」

也の前立てが落ちても動じなかった男は、さすがに冷静である。
さっさと道具をとりに奥へ行ってしまった。



「思うんじゃがのう・・・」
今まで置物のように動かなかった老人がしゃべったので、ぎょっとした。
「綱元殿、起きとったのか?!」
「このような不可思議犯罪は、とても常人にできることではないのう」
人の問いかけを無視して、語り始める。



「常人でないといえば、忍びよ」

確かに、忍びならば暗殺も手馴れたもの。鍵のかかった部屋に入ることも可能かもしれぬ。
「忍びといえば、あの佐助殿じゃ。あやつは、それがしと人気を二分しておる。だからなおさら、それがしの最近の活躍に脅威を覚えているはずじゃ。そう考えれば、このような暴挙に出たことも納得できよう」
納得できねーよっ!
「人気を二分するといえば、阿梅殿も一枚噛んでいるのかもしれんな」
血のつながらぬ甥の嫁まで巻き込もうとしてるのか・・・



「それがしの血のつながっていない甥の重長殿は、間違ってもこんなことはせぬはずじゃ」

だ・か・ら、普通こんなことするやついないって。
「重長殿でなければ、やはり幸村殿じゃな」
不可思議犯罪って話はどうなったんぢゃ。
「あの御仁は、言うことを聞かぬ家臣に頭を悩ませとるからのう。それがしと殿の親密な関係が羨ましく、嫌がらせのためにこのようなことを・・・」

心で突っ込むことすら疲れた。

ていうか、殿に銀河の果てまで飛ばされるわい。


老人の戯言をさえぎるように、奥から宗実殿の声がした。
「どうしたんぢゃ、宗実殿」

洗面所に駆けつけると、いるはずのない毛虫の前立ての男が倒れている。
香車の陣羽織に、血のような染みが飛び散っていた。

「成実殿、しっかりせい」
「AED、AED・・・」と狼狽える綱元殿を押し退け、耳元で叫ぶ。
「う、うぅっ・・・」

成実殿っ何があったんぢゃ」
「こ、こ・・・
「虎太郎がどうかしたのか」
「こ、鼓膜が破れそうじゃ・・・静かにしてくれ・・・」



「成実殿、また、したたかに呑んだようですのう」
全てを察していたかのように、宗実殿が言う。
さすが、団扇師匠だの盆踊りマスターだの数々の異名を持つ男だ。

「なーに、夕べも忘年会でなぁ。町娘たちが次々と酌をしに来るので、つい杯が進んでしもうたわ」
さすが酔っぱらいぢゃ。話半分に聞いておこう。
「それで終電に乗り遅れてな、仕方がないから組長に合鍵を借りて、ここで一夜を明かしたのよ」

組長、合鍵持ってたんかい・・・


物凄く腹が立ってきたが、一応聞いてみた。
「では、部屋の真ん中にカップ麺ぶちまけたのはおぬしか?」
「そうじゃ!明け方キムチラーメンが食べたくなってのう。作ったはいいが、手が滑ってあのざまよ」
キムチの赤い染みと臭い、どぉすんだよ。
「陣羽織にまでタレが飛び散ってしもうたわ。水洗いでもするかとここまで来たんじゃが、洗う前に寝てしまったようじゃ」
がははと笑う成実殿に、殺意すら覚えた。

「な、なんてむごたらしい・・・もとい、なんてもったいないことするんぢゃー!」
「食べ物のことでそんなに熱くなってると、虎太郎みたいじゃぞ」
「誰がカレー男ぢゃーっ!」

「誰もカレー男などと言ってないナリよ」

「そもそも、それがしと殿の絆は・・・」



かくして事件は解決し、民の笑顔は守られた。

食べ物を粗末にしてはいけません。

汚したらちゃんと片付けましょう。







いや、ほんといろいろとごめんなさいです・・・