
「月さま、雨が・・・」
「春雨じゃ、濡れてまいろう」
こんなセリフ、今の若い人たちは知らないだろうなー。
時代劇の登場人物のセリフ。
二枚目の役者さんが演じる役らしい。
私も直接見たことはないと思うのだけど。
小さい頃、親に聞かされていたのかもしれない。
だから私は、傘さすのがめんどくさい時は、「春雨じゃ・・・」とか言って濡れて歩いた。
(春雨じゃなくても)
こんなキザなセリフを言う男の名は月形半平太。
モデルは、あの武市である。
そう、武市ってイケメンポジションだったのよ。
うちのダンナなんて、「武市は月さまなんだから、武市の方を二枚目が演じるべきだ」とか言っている。
(ダンナも月さまを知ってる年代なんだなー・・・)
かつて、武田鉄矢さんが龍馬のドラマをやった時、武市は中村雅俊さんだった。
ビートたけしさんが山内容堂で、すっごく憎々しい殿様だった。
そんで、武市が切腹するとこがラストだったような気がする。
武田龍馬が、「武市ぃーっ」て号泣してたんじゃないかなー。
だから、武市という人はいい人で、龍馬の盟友で、非業の最期を遂げた人なんだと思ってた。
(まぁ、確かにそうなんだろうけど・・・)
その後、「人斬り」という映画を見た。
何で見たんだろう?何かと同時上映だったのかなー?
タイトルからおわかりのとおり、以蔵さんが主人公の映画。
勝新太郎さんが以蔵さんで、すっごくギラギラしてて・・・
もう壮絶というか、汗まみれ血まみれというか。
全然かわいいとかいう代物じゃないのよ。
萌えとは真逆の世界みたいな。
それなのに、その映画で以蔵さんにキュン
ときた。

それまで、人斬り以蔵なんて軽蔑してた。
思想も理想も持たずに人を殺しまくるようなやつだと。
のたれ死んで当然ぐらいに思ってた。
でも、以蔵さんの哀しみみたいなものを思うようになって。
ちょうど、以蔵さんを描いたマンガなんかも読んで。
以蔵さんのこと好きになった。
それ以来、私の中の武市は以蔵さんのカタキに成り下がったのでした・・・
いつも武市の悪口ばかり言ってるから、ちょっとは褒めてみようかと思ったのだが、結局こうなるのね。
でも、幕末というあの特殊な時代を駆け抜けた人物なわけで。
好きにはなれなくても、その思い、志はわかってあげたい気もする。
龍馬というあまりにもまぶしい太陽みたいな男にどうしても惹かれるけど。
朧な光を放つ武市って、やっぱり月さまなんだと思う。
そんなわけで、この春はもう無理だけど。
ことしは、ぜひ土佐に行ってみたいなー。
そんで、以蔵さんのお墓参りするの。
あと、元親アニキの史跡めぐりするの。
おいっ武市はどーした!!
龍馬はどーする?!
こんなこと書いてるけど、私は基本的に新撰組のファンだから・・・
そして、今日は私の好きなとある歴史上の人物の命日だなぁ・・・