いよいよ、再び握手の時間。
昼の部では緊張とハニカミでわけわかんなかったけど、今度は大胆にいくぜ!
Gジャンのボタン外して、ダンシングモモTシャツが見えるようにする。
カバンからトーキングモモ人形を出して、見えるようにする。
(そんなもの持って上京してる私・・・)
んー・・・よく考えるとアホな格好かもしれない。
でも、昼の部みたいにあっさりスルーは悲しいもんね。
少しでも印象的にってことで。
それから、手に握るもの。
さっきは、モモスイングを握って握手したわけだけど、タケルくん「ん?」て顔してたからさぁ。
今回、モモはやめておこう。
そのために、先ほどのグッズ販売で、ストラップを2つ買っておいたのだ。
そう、このストラップを手に持って握手すれば、タケルくんの触れたストラップになる。
ストラップなら常に持ち歩けるし、トップ外してペンダントにもできるよね。
そんな小細工をいろいろ考えながら、段々近づく順番。
やっぱり細い!頭が大きく見えるぐらい細い。
そうだ、愛の告白しっかりしなきゃ。
さっきみたいにどもっちゃダメよ。
ためらわないで、握手と同時に言わなきゃ。
ああ、でも何て言おう?
「大好きです」
「愛してます」
「結婚してください」←おいおい
ありきたりじゃつまんねーぞ!
いや、奇をてらうのもどうかと・・・
笑いをとるのもちょっと・・・
好きな人には、ストレートにいきたいじゃない。
私の番がやってきて。
目の前に愛しのタケルくん。
しかし、私の口から出た言葉は、
「か、かっこよかったでしゅー」
な、何それ?何その陳腐なセリフ?!
タケルくん、にっこり笑って「ありがとうございます」
おぉーっここで一気に愛の告白するぞっ!
しかし、スタッフの方にぐいと肩をつかまれて、ところてんのごとく押し出されてしまったのだった。
わかる、わかるんだ。
だって、2,000人と握手しなきゃなんないんだもんね。
タケルくんの負担だって相当なものだし。
時間だって決まってるわけだし。
後にまだまだ待ってる人がいるし。
何より、タケルくんの安全を確保せねば。
理解はする、するんだけど、ちょっと寂しかった。
だってあの笑顔だよ。
もうちょっと、見ていたかった。
あと少しだけ、お話したかったよ。
でもね、あの時の微笑みは私だけのもの。
たとえ営業スマイルでも。
みんなに同じことしてても。
ほんの一瞬だったとしても。
あの笑顔は私に向けられたんだ。
私に「ありがとう」って言ってくれたんだ。
たとえ熱い想いは伝えられなくても、それ以上の満足感は得られたよ。
改めて、恋に堕ちた瞬間だった。
燃える想いを胸に、最終章につづく。
