スペースインベーダー ゲットイーブン逆襲のスペースインベーダー
タイトー / キャトルコール
Wii / 2008
本作を作ったキャトルコールは元データイーストの開発チームが独立したメーカーということなんだけど、それが妙に納得できるといえば本作の雰囲気を察して貰えるかもしれない。ちなみにキャトルコールはオプーナにも関わっていたりする。
本作はスペースインベーダー(以下:SI)の冠が付いてはいるものの、近年の「エクストリーム」や「インフィニティジーン」と違い、SIらしいゲーム性が皆無という異色作となっている。なにせプレイヤーがインベーダーとなって地球を侵略するという逆転設定からして遊び心を感じる。
ゲーム内容は、斜め後方見下ろし画面内でSIの母船をアナログスティックで移動させ、Wiiリモコンでポインティングしたターゲット(兵器や建物)目掛けて、大勢で体当たりを繰り出して攻撃しつつ侵略していく。
切り札として超大型母船による全体攻撃「スペシャルアタック」も使えるが、基本はわらわらと群れて体当たりを繰り返すSIらしい物量攻撃。
文字の演出がCOOL!
人間の激しい抵抗の中奮闘するコミカルなインベーダー
本作は文字(画像参照)や音声の演出が色々と楽しくて、特に攻撃中に入ってくる人間のやりとり(音声)が笑える。上官の命令や一般兵士の悲鳴と救助要請なんかがコミカルに演出されていてとても賑やか。例えば「スペース、インベーダー…30年前に確かに追い返したはずなのに!」「ふ、名古屋撃ちの由来も知らぬ若造が!いきがりおって!見せてやる、私の名古屋撃ちを!」などなど。こんなの聞いたらますます侵略したくなるじゃないか。
ちなみに自分はオリジナルを知らない年代だけど、それでも当時の逸話なんかはネットで知っているのでそれなりにテンションが上がった。
さらにインベーダー達がゴミゴミと群がり破壊していく様子は侵略者そのものなのに、インベーダーの外観だけ昔ながらの2D風味で見た目がシュール。そういう意味ではSI風味を失っておらず、演出の進化を感じさせるグラフィックとなっている。
インベーダー達は休むことなく特攻を繰り返しては数で人間を圧倒し、時には母船の援護で人間どもを一掃する。抵抗してくる人間たちはこれまでインベーダーを退けてきたプレイヤーといったところなのか。それこそ積年の恨みをここぞとばかりに爆発させるインベーダー、今までは敵で無機質なシンボルでしかなかったその形状に、不思議と愛着を感じてしまうゲームなのだ。
元ページ公開日[2011/5/2]
追記 2024/1/28
本作はダウンロード専売の為、Wiiのダウンロード販売が終了している現在は残念ながらプレイするのが難しい。是非是非、移植なりリメイク・続編を希望したい。