次男が支援センターに通うことになったので、私は新しい生活が始まるかと少し期待した。



センターの初登校日、久しぶりにお弁当を作り、ドキドキしながら目覚まし時計が鳴るのを待った。



時間になりベルが鳴った。



しばらく待ったけれど次男が動く気配はない。



部屋に行って声をかけると



次男は

「行かない・・」



そっか・・・

やはり、場所が変わっても行けないのだ。



一斉授業の大勢がいる教室でもないし、提出物に追われるわけでもない。

センターは家から近いから通学が大変なわけでもない、苦手かもしれない担任の先生もいない。



次男にとって負担に感じるであろう事は支援センターにはない。

だけど行けない。



高校に通えないのは学校が原因ではないのだろうか・・・


もう何をする気力も無くしてしまったのだろうか・・・



落胆しながらセンターに欠席の電話をした。



すると、

「何時でも良いし、顔を出すだけでも良いです。来れるなら来てください。」

と言われた。



次男に行くように声かけをしたけれど、私の言葉では登校しそうになかった。


そして再度眠りについてしまった。



夕方のっそり起きてきたので再度誘った。

「モスバーガーに行かない?

ついでに、顔を出すだけでも良いから支援センターにも行ってみようか」と言うと 


「うん」


意外な返事。


さっきとは別人のように素直な態度だった。


朝は全然行けそうな雰囲気ではなかったのに、眠気が覚めたから行く気持ちになったのだろうか。


よく分からないけど、行けるのなら理由は何でも良いと思った。



支援センターの先生は

「〇〇君よく来たねー。お母さん、これは大きな一歩ですよ。一歩ずつ少しずつ進みましょう」

と言って出迎えた。



少しの時間でも登校出来た、全く行けないよりよかったと思った。



先生の言葉のように一歩一歩進めたら良いな。



そんな感じで、私が送迎する次男の支援センターへの登校が始まった。